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[オピニオン]「水不足」このままではいけない

[オピニオン]「水不足」このままではいけない

Posted January. 11, 2002 10:45,   

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古代ギリシアの哲学者タレス(BC640〜546)は「水は万物を形成する根本的な実体」であると説いた。

水こそ、あらゆる生命体の根源であり、人類生存の源泉でもある。実際に、人間が水なしに生存できる期間は、1週間程度である。

人体に水が不足すれば、脱力状態となって、新陳代謝が悪くなり、体内に毒素が累積して、死に至る。

人類文明の4大発祥地は、みな水が豊富な河川流域であった。また、韓半島に流れる漢江を占める王国が、韓半島を支配したことも歴史的な事実だ。

産業化や都市化が達成された今日においても、水が持つ重要性は、強調してもし過ぎることはない。水は無限財ではなく、その量と質が限られる厳然たる有限財であることを忘れてはいけない。

水問題について、世界銀行は最近、人類に警告を発した。「20世紀の各国の紛争の主な原因が、石油資源にあったならば、21世紀の紛争の主な原因は、水資源となる」という。

さらに、国連環境計画(UNEP)は、1998年末、全世界で2500万人が、水不足に苦しんでおり、水がなくて死んでいく子どもだけでも、1日平均5000人を上回ると発表した。

米国中央情報局(CIA)は「2000年の世界水動向報告書」で、2015年に地球人口の半分を超える30億人以上が、水飢饉に苦しむと予測している。

このような地球規模の水不足現象は、韓国においても例外ではない。韓国は、すでに1990年に、国連が分類した水不足国家に入った。

水危機はすでに始まり、2001年には水需要に対する供給の余裕が、7億トンに過ぎなかった。水資源公社は、2011年になれば、全国的に20億トンの水が不足するという見通しを持っている。これはソウル東の八堂(パルタン)ダム貯水容量の8倍に当たる。

政府は、深刻な水不足に備えるために、ダム建設など、多角的な対策準備に腐心しているものの、地方自治体と環境保護団体などとの見解の差を縮めることができず、足踏み状態から抜け出せないのが実情だ。

昔から治山治水は、君王の統治の根幹であった。水の管理は、治水と利水に分けて考えられる。

治水は、洪水と日照りによる被害を防ぐために、水を制御する量的な管理を意味し、利水は、人間に有益になるように、水の利用を図る質的な管理を意味する。

人間の生活水準が高まるほど、水への人間の欲望は、量の充足はもとより、水質の安定性までも求めるようになった。なかでも、水質汚染の悪化は「豊富でも飲めない水」という矛盾を生み出し、人間生存の基本的な問題を生み出した。

治水と利水を含む21世紀の水管理政策の基本方針は、「持続可能な開発」により、その解決法を探ることができる。

すでに、1992年の国連環境開発会議で採択されたこの原則は、これまで無制限なものと考えられていた環境資源も、人間の欲望と利己心の前では、枯渇するという事実を自覚させた。

したがって、人間のすべての経済活動も、環境が受け入れることのできる範囲内で、行われなければならない。

政府は、大学入試の過熱が、江南(カンナム)地域を始めとするソウルのアパート価格の暴騰をもたらしたと判断し、盆唐(ブンダン)新都市規模に相当する首都圏地域に、10万世帯分の住宅を建設すると、8日発表した。

4人家族10万世帯が入居する場合、1人1日の水使用量を400リットルとすれば、1日の水使用量は、16万トンになる。今年も、ソウル・首都圏に、民間住宅事業者が供給する再建築・再開発・新規アパートが、合わせて21万世帯にのぼるという。

このような、ソウルを始めとする首都圏全地域の大規模アパート建設ブームは、水不足を加速化させるだろう。

今も首都圏2000万の人口が、八堂上水源だけにほぼ依存している状況で、いつまで八堂上水源ひとつで、首都圏人口の水需要が、質的、量的に満たせるのか、不安である。

政府は、手遅れになる前に、すでに国民の目の前に迫った水危機を乗越えるために、ダム建設など、多角的な水供給量の拡大はもとより、水の質的な需要もともに考慮する「持続可能な水管理政策」を国民の生存権の次元で、実効性をもって広げていかなければならない。

朴鷹撃(パク・ウンギョク)漢陽大学地方自治大学院長(行政学)