2000年3月、放送についての決定権と行政権を持つ独立機関としてスタートした放送委員会(放送委)が最近、金政起(キム・ジョンギ)委員長の辞任によって事実上の「脳死」状態に陥っている中、同放送委の構成をはじめ放送政策全般への大々的な改革が必要だという声が高まりつつある。
しかし政府与党は、後任に現政権のスタートに寄与した弁護士のH氏、元長官のK氏、放送会社のK氏などを検討している模様で、放送の独立性と地位の向上に深刻な脅威となっている。
専門家らは「政界の分配式の委員構成が、放送委の非専門性と無責任さを招いた」とし「全面的な改革が急がれる」と指摘する。
韓国の放送委がモデルとしている米連邦通信委員会(FCC)は、5人の委員のうち4人が通商や独占などを専門とする弁護士であるのに比べて、現放送委員8人のうち2人だけが放送専門家であり、残りは大半が政党所属の人だったり、現政権のスタートに直接・間接的にかかわった人物だ。
放送委はとくに、ここ数カ月間にわたる内紛によって、政策決定の機能だけでなく審議機能まで事実上放棄した状況であり、テレビ番組の選定、暴力性、間接広告などに対する実態把握さえできずにいる。また、放送と通信など21世紀のメディアの融合に備えた韓国の放送の未来についての青写真作りが急がれているにもかかわらず、放送委の業務が停滞することによって下絵さえ作られずにいる実情だ。
放送委の機能が麻ひすることによって、公正な報道への監視がきちんと行えなくなれば、地方選挙と大統領選挙を控えて、放送の偏向報道が横行する可能性が大きいと、憂慮の声が高まっている。
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