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[社説]退任高検長の「耳に痛い」発言

Posted January. 21, 2002 09:41,   

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沈在淪(シム・ジェリュン)前釜山(プサン)高検長が、「検乱の原因と背景は、度重なる間違った検察人事と検察権に対する干渉から始まっただけに、人事権者である政府の最高責任者の責任問題がもっとも大きいとみるべきだ」という「耳に痛い」発言をし、検察を後にした。検察指導部の一人だった彼がくだした検察危機に対する「自家診断」という点で意味が重く、示唆することが多い。

沈前高検長が的にした政府の最高責任者はもちろん、金大中(キム・デジュン)大統領だ。数日前、「検察が自分の働きをきちんとしていないため、政府が大きな被害を被る側面がある」として、異なる解釈をしていた金大統領は、この「退任の辞」を自分に対して正面からぶっつけた「挑戦」として受け止めるか、もしくは忠言として判断しているのか、聞きたいところだ。結論から言えば、大統領が今回の診断を口に苦いからと言って吐き出すようなことなどないことを願う。沈前高検長は、「検事全員が間違ったことでもしたようにこ塗し、政府は関係ないかのように責任を転嫁する発想は、国民に検察に対する不信を過重させることであり、決して検察を生かす術ではない」と、現在の時局に対する大統領の間違った認識が招く被害までかいつまんで指摘した。

金大統領がこの「退任の辞」を耳に痛くても、薬になるありがたい忠告として受け止めることを期待する。大統領の選択によって、検察を生かすことも、引き続き瀕死状態にいさせることもできるのだ。また別の検察幹部による耳に痛い退任の辞が出てくることもありうるし、今回が最後になることもありうる。金大統領は、政府の幹部がまた、検察の責任論だけを強調するほど政府内に「責任回避」にあくせくする雰囲気が醸成された根元が自分にあることを認識し、これを正す努力をすべきだ。人事権者の発想の切り替えなしには、新任の李明載(イ・ミョンジェ)検察総長の就任でせっかく起きている検察刷新の兆しが何の成果もなしに、うやむやになるしかない。

検察もまた、検察自ら危機を作り出してきたという指摘を謙虚な気持ちで受け止めて、骨身に染みるほど反省しなければならない。「人事特恵と権力の共有ないしは身分上昇のために、権力の周辺に群れをなして並んでは、してほしいとも言ってないのに、彼らの口に合うように進んで忠実な下女の役割をしたりもした」という彼の述懐は、検察としては痛いが、今後も胸に刻んでいかなければならない指摘だ。彼の言葉を正面から反ばくできる検察幹部が果たしてどれだけいるだろうか。

沈前高検長の「退任の辞」が反省と変化を導くかわりに、消耗的な論乱だけを招くとすれば、政権と検察の不幸はさらに大きくなるだろう。