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[社説]無責任な牙山新都市計画

Posted January. 25, 2002 09:25,   

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政府が、またもや大掛りな新都市計画を打ち出したものの、期待よりは失望の方が大きい。京釜(キョンブ)高速鉄道の天安(チョンアン)駅周辺に、人口50万人規模の牙山(アサン)新都市を、早速来年から建設に取り掛かるとしながら、実質的に施行に向けた財源の調達案や推進日程も示していないからだ。今年の選挙を控えて、票を意識した「PR用発表」という性格が強く、計画どおり建設が進むか疑わしい限りだ。

これは、すでに8年前に発表された計画の「リバイバル事業」である。当時、建設交通部は、2000年代初めをメドに、1000万坪規模の中部圏新都市建設計画を進めていた。ところがその後、計画の修正が行われただけで後続措置がなかったため、地元の住民でさえもその実現可能性については、懐疑的になっている。

新都市は、単なるベッドタウンだけでなく、都市基盤の便宜施設はもとより教育、文化機能などを備えた自足都市でなければならない。住宅が足りないからといって、関係省庁との具体的な協議もないまま、新都市の建設計画を発表するのは、行政としての責任ある態度とは言えない。

にもかかわらず、政府が、政府機関と大企業、大学などの移転を盛込んだ新都市開発計画を急きょ発表したのには、ほかに別の意図があったのかと聞いてみたい。単に、2004年4月に予定されている高速鉄道の開通に合せて開発する、という背景説明だけでは、説得力に欠けるのだ。ソウル〜天安間の定期利用客に料金を割引きして、月15万ウォン程度で通勤できるようにする、という計画についても、同様に疑問が生じる。

政府は、首都圏の分散に向けた効果的な代案となりうる牙山新都市計画が、一歩間違うと、かえって乱開発のケースに終わる可能性もあるということを知るべきだ。かつて、むやみな新都市開発がもたらした環境と交通問題、それによる住民の苦しみを見ているはずだ。

政府は、これまで板橋(パンギョ)、烏山(オサン)、華城(ファソン)など数々の新都市開発計画を発表しているが、これらの計画は、何か問題が生じた後に設けられた、一過性の「埋め合わせ用」であったため、後に計画そのものが危ぶまれたり、白紙に戻るケースが少なくなかった。過去における新都市建設の際の失策を繰返さないためには、決して焦らず、具体的な方策を綿密に立てていく必要があるだろう。