公的資金管理機関に勤めていた大統領夫人の甥に当たる李亨澤(イ・ヒョンテク)容疑者が、李容湖(イ・ヨンホ)被告の事業と関連して、金融機関にあらゆる請託を行った疑いが特別検事(特検)チームによって一つひとつ明らかにされている。政府が4大改革の一つとして、強度の官治金融の打破と金融改革を唱えている間、その灯台下では大統領夫人の甥が大統領経済首席秘書官と銀行長に私的なことを頼み込んで回ったのだから、だれが何を改革しようというのか分からない。
李容疑者が専務として勤めていた預金保険公社は、不良金融機関に公的資金を投入し、回収する業務を実務担当している機関だ。東和(トンファ)銀行の営業第1本部長だった時、金大中(キム・デジュン)大統領候補の秘密資金を管理した疑いで捜査を受けた大統領夫人の甥が、公的資金の管理に責任がある機関のナンバーツーのポストにいたのだから、当然金融の核心勢力として浮上するのは当たり前だ。
李被告のコンソシアムが激しい競争の中、朝興(チョフン)銀行の子会社である朝興キャピタルを買収できた過程が、特別検事チームの捜査対象として浮かび上がった。公的資金が投入された朝興銀行の大株主が預金保険公社だったのだから、朝興キャピタルの売却の過程で、李容疑者がどんな役割をしたのかは必ず明確にしなければならない。また、李容疑者の借名とみられる銀行口座から、数十億ウォン台の資金の振り込みと振り替えがあったことも把握されており、疑惑はさらに膨れあがりつつある。
特検チームの捜査が進むにつれて、李容疑者の不正が次々に明らかになると、李容疑者の弁護士らは、「李容湖ゲートの特別検事法」の限界を超えたものとして、異議を唱えている。これに対していずれ裁判所の判決が下されるだろうが、法が委任した限界を超える部分については、特検が明らかにした不正を検察に移管して捜査を続けれることができる。
李容湖ゲートの特別検事法は、李容疑者の金融不正がこんなに深刻な状態であることを知らない時に作られた法律だ。特検にかける国民の期待が大きいだけに、法律の不備で李容疑者の新たな不正を捜査するのに障害が生じるとすれば、特検法の改正にちゅうちょしてはならない。