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[社説]「政権に不正はない」が通じるか

[社説]「政権に不正はない」が通じるか

Posted February. 07, 2002 09:37,   

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現政権に入って政権レベルにおける不正はなかった、とした李種南(イ・ジョンナム)監査院長の記者懇談会での発言内容は、昨今の「ゲート政局」で国民が感じる雰囲気とは、かけ離れたものだ。

彼は「現政権に入って、少なくとも政治権力と結託した大企業の不正や金融不祥事にかかわった腐敗はなかった。誰々と会ったという事実だけで無条件に不正事件と決めつけ、犯罪者として烙印を押すという風潮も問題だ」とし、さらに「李亨澤(イ・ヒョンテク)容疑者の事件も、個人の問題であり、大統領の問題ではないと考える」と述べた。

李院長のこのような現実認識には、驚かざるを得ない。現在、国中を揺るがしている各種ゲートには、大統領府、国家情報院(国情院)、検察など、権力の側にいる人物が、多数かかわっている。金大中(キム・デジュン)大統領の息子の名もあがっている。なかでも、金大統領夫人の甥である李亨澤容疑者が深く介入していた珍島(チンド)近海の宝物引き揚げ事業には、大統領府、国情院、海軍、海洋警察庁、金融監督院など、権力機関が動員されていたことも明らかになっているのだ。

李容疑者が金大統領の親戚でなく、権力のひ護がなかったら、果たしてこのようなことが可能だったであろうか。李容疑者の力は、まさに権力の力なのだ。にもかかわらず、これを大統領と関係のない単なる個人の不正と見ることは、事の本質のわい曲を意味する。何よりも国民を失望させるのは、公職の不正を監察すべき監査院長の視点が、大統領府スポークスマンと全く同じであるという点だ。

なかでも国家最高の査定機関の長が、現在捜査中の事件に影響を与えるような発言をしたことは問題である。不正腐敗追放にむけた秋霜のような姿勢を取るべき者として、まるで誰かをかばうような発言をすることは、望ましい行為とはいえない。これに対して釈明をしなければならない。

公正かつ透明な社会づくりには、何よりもまず、権力型不正を取り除かなければならず、このためにはいかなる聖域も残してはならない。大統領府も例外ではないのだ。