韓国政府はブッシュ米大統領の訪韓を控えて、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の大量破壊兵器(WMD)問題に対処するための国際的な協力体制を構築することを決め、米国・日本・中国との本格的な事前の意見調整に乗り出した。
米国と北朝鮮も、対話を通じた解決を強調し、対話チャンネルを再度稼動させるために、慎重に取り組んでいる雰囲気だ。
▲韓国政府の外交接触〓政府は韓米首脳会談(20日)で、対北朝鮮政策についての韓米間の意見の隔たりが表面化するのを防ぐため、韓米間の同盟関係の強化を最優先議題にすることにし、米国が要求している早期の核査察、WMDの解決などに向けた関係諸国間の協力体制の構築策をさらに具体化することを決めた。
こうした方針は、東亜(ドンア)日報が単独で入手した外交通商部傘下の外交政策研究院が出した「ブッシュ大統領の訪韓に備えた韓半島問題関連の特別政策報告書(対外秘)」という文書を通じて確認された。
同文書は「韓半島関連の言及は、韓米間の事前の意見調節のなかで行われるようにし、中国も支持できるよう事前の地ならし作業が必要とされる」とし「国際原子力機関(IAEA)による査察の早期実現、WMD、ミサイル、通常戦力などに対する協力体制をさらに強化し具体化すべき」だと、会談の方向を提示している。
とくに「(韓米首脳会談に先立って開かれる)日米首脳会談で、対北朝鮮関連の『剛性』発言が出る可能性を排除できない」とし「そうした場合、米国の北朝鮮に対する認識をさらに『剛性化』させることを事前に警戒しなければならない」と指摘している。
同文書は、また「ブッシュ大統領の強硬な発言と北朝鮮の対米関係改善環境の悪化は、第2回南北(韓国・北朝鮮)首脳会談の可能性をむしろ高めさせる方向へと働き得る」とし「同会談を実現させるため、中国の仲裁を通じた迂回方策を模索することが必要とされる」と提案している。
▲米朝、対話再開の動き〓朴吉淵(パク・ギルヨン)北朝鮮国連代表部大使は7日、イラン、イラクとともに北朝鮮を「悪の枢軸」と定義付けたブッシュ大統領の一般教書演説に関連し「今後、北朝鮮と米国が対話に進むか、敵対関係になるかは全面的に米国次第だ」という認識を示した。
朴大使はAP通信とのインタビューで、ブッシュ大統領の演説に触れ「宣戦布告も同然」と非難しながらも「北朝鮮はいつでも米国との対話再開に臨む準備ができている。対話はいかなる前提条件なしに同等な立場に立って実現されるべきだ」という考えを強調した。
同大使は「米国の敵対政策や対北への雰囲気が加速されれば、南北対話や接触が果たして可能だろうか」と付け加えた。
これと関連して、米政府高官は「北朝鮮は韓米首脳会談を見守ったうえで、両国の対北朝鮮政策で意見の隔たりがないことを認識して欲しい」と述べたと、共同通信が8日付ワシントン発で報じた。
一方、朝日新聞は8日、北朝鮮と米国の実務者レベルの代表がブッシュ大統領が北朝鮮を「悪の枢軸」と定義付けた後もニューヨークで接触していると、米政府当局者の話として伝えた。
両国の接触は、北朝鮮国連代表部と米国務省間のルートで行われたものとされるが、接触した正確な日付と出席者は伝えられていない。
夫亨權 bookum90@donga.com