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[オピニオン]北朝鮮の選択は対話のみ

Posted February. 22, 2002 09:32,   

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今回の韓米首脳会談への朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の評価と反応はいかなるものか。おそらく北朝鮮は、本音としては肯定と否定の両面を評価するものの、建前として米国を強く非難するものと予想される。

「悪の枢軸」発言で緊張が高まっていた北朝鮮としては、ブッシュ米大統領が、懸案の大量破壊兵器問題を戦争ではなく対話で解決していくと明らかにした点や、米国の一方的な対北要求の代表例として挙げられていた通常兵力問題を公式の場で言及しなかった点などは、肯定的に評価するだろう。そしてこのことは、北朝鮮が米朝対話に応じる実質的な名分として作用する可能性も高い。

しかし北朝鮮は、ブッシュ大統領が分断状態にある韓国を訪れ、北朝鮮指導部と住民を分離して北朝鮮体制を問題視したことについては、深刻な脅威と受け取るだろう。ブッシュ大統領の根本的な北朝鮮認識をうかがわせるこの発言が特に問題となるのは、北朝鮮体制の特性に起因する。北朝鮮は、みずからを首領—党—大衆が統一体を成す国家であると主張する。このような状況で、住民と政権を分離することは、最高指導者への背信と見なされるのだ。したがって北朝鮮は、公式的に強く反発するものとみられ、これはブッシュ大統領の自制した対北発言の政策的效果をそれだけ半減させる結果を生むだろう。そして短期的には、米朝対話の可能性を低めるものともなり得る。

しかし今回の会談について、北朝鮮がしっかりと認識しなければならない点がある。今回の韓米首脳会談で出た、多少慎重な米国の北朝鮮に関する発言は、ブッシュ政権の性格や、9・11テロ事件以降変化した米国の世界戦略を考えれば、相対的に穏やかであったと言える。それも韓国政府の努力によるものである。ブッシュ大統領はもはや、北朝鮮が何かを見せない限り、これ以上節制した行動には出ないだろう。ならば、もはや米国を非難してみても問題は解決しない。対話が必要なのだ。

ブッシュ大統領は今回の訪韓で、離散家族の相互訪問を特段に強調し、都羅山(トラサン)駅では、京義(キョンイ)線鉄道を連結する枕木に、漢民族の統一を祈願するサインをした。このように、ブッシュ大統領が南北対話に大きな意味づけをしたことは、北朝鮮の大量破壊兵器の脅威を取り除くという自己の政策と韓国政府の和解と協力の政策を並存させようとの意志表示であるとみられる。

このような状況は、北朝鮮に機会を提供する。北朝鮮が米朝対話の前に南北対話に応じても、それは平和に向けた意志表示として映る状況がつくられたのだ。これは現時点において、南北関係の進展が、北朝鮮への米国の態度を緩和させるうえで、重要な役割を果たせることを意味する。米朝対話が依然としてはばかれるなら、北朝鮮はまさにこの機会を利用するべきである。

この時点で北朝鮮指導部は、まず南北対話を通じて現在の難関を突破しなければならない。そこで、新たな南北関係に向けて、北朝鮮は少なくとも次の二つの点で自己を省みる必要がある。

第一に、北朝鮮指導部は、ブッシュ政権との間でかっ藤を生んだこの1年間、南北関係を中断させた結果として得たものが何であったのか、冷静に考える必要がある。北朝鮮は、ブッシュ大統領の北朝鮮への強硬政策を思い直させようとする韓国政府の非常な努力を、民族協調よりも韓米協調に執着したものと非難し、南北関係の進展を遅らせた。しかし、その結果として残ったのは、一層強まった米国の不信だけである。北朝鮮は韓米協調を悪く言うが、韓米協調によってブッシュ大統領の発言を抑えているということを認識しなければならない。

第二に、北朝鮮は、民族同士で民族問題を自主的に解決しようとしながらも、首脳会談以降、いろいろな理由をつけて南北対話を遅らせたことが、正当であるかどうか自問するべきである。そして、このような行動が、今日の国際社会で「北朝鮮不信」を加重させていることを自覚しなければならない。

北朝鮮が、真に韓半島和平と自己の体制の安全に関心をもつならば、不満な点があってもそこは目をつぶって、一日も早く対話に応じなければならない。これから2〜3ヵ月の間に新たな変化がなければ、ブッシュ大統領は、また北朝鮮に対して否定的な発言をし、対北政策において自制を欠くことは明らかだ。対話がない状況では、これ以上韓国政府もブッシュ大統領を説得する名分がないという点を、はっきり認識するべきである。

イ・ジョンソク世宗(セゾン)研究所研究員(北朝鮮学)