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[オピニオン]政治革命か、反革命か

Posted March. 08, 2002 09:54,   

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少し荒っぽく言えば、現在の韓国の政界では、「革命」と「反革命」が同時進行しているとみることができる。革命とは、従来の政治秩序の再編に向けた大々的な改革を意味し、反革命とは、既成の政治秩序を守るための守旧的抵抗を意味する。

与党民主党は1月初めに、ワンマン体制のもとで権威主義的に運営されてきた党の改革に向けて、驚くほどの改革プログラムを提示したことを、国民は昨日のことのように覚えている。国民競選制の実施、総裁職の廃止、集団指導体制の導入、党代表と大統領の権力の分離などを通じて、民主党を現代化・民主化するという計画を発表したのだ。

民主党のこのような変身は、野党からも大きな反響を呼んだ。野党ハンナラ党は、民主党が提示した改革アジェンダのうち、国民競選制を取り入れて公薦を実施するという約束を国民にせずにはいられなくなった。また、集団指導体制を中心にした政党改革も、適切な時期に推進するという意思を表明した。

この頃までは、国民が願っていた政治の革命は、比較的スムーズに進むものと思われた。しかし、民主党で国民競選作業が本格的に進むにつれ、政治革命の趣旨とは異なる旧態依然の行動が、所々で現われはじめたのだ。何よりも国民競選に参加する有権者を組織的に動員する兆候が、あちこちで目につくようになった。金槿泰(キム・グンテ)議員の告白からも明らかなように、金品ばらまきの問題もがい然性がかなり高いということだ。

一方、ハンナラ党の場合、朴槿恵(パク・グンヘ)議員が離党するや、早くも国民競選が無意味になったとして、大統領選候補を合意で擁立しようとする動きが起きたこともある。さらに、一部の地方選候補者からも、公薦よりは擁立の形で強引に進めようとする動きが現われている。朴槿恵議員が、離党の名分としたワンマン支配体制の廃止に向けた政党改革は、議論も十分にされないまま、大統領選挙の勝利のために棚上げの状態だ。

最近、民主党とハンナラ党で行われているこのような非民主的な行動は、新しい政治秩序の創出を目的とする政治革命を根本から挫折させる反革命的流れであると判断される。なかでも次期大統領を狙う一部の政治指導者らが、党内予備選挙や大統領選挙での勝利に執着するあまり、民主的価値の内面化によって制度革命を果たすという歴史的課題をおろそかにすることが大きな問題だ。

果たして事態がこのように放置されてよいものだろうか。決してそうではない。国民は今、解放後半世紀の間進められてきた民主化の課業を成し遂げ、民主体制の成果の極大化に向けた政治革命の瞬間に到達している。ところが、このように重要な歴史的課業が、手段と方法を選ばない政界の選挙策略と非民主的慣行によって挫折するならば、それは韓国社会の将来にとって実に不幸なことである。

したがって、最近進められている反革命の諸行動を制圧し、政治革命を果たすための国民運動が、広範囲にわたって展開される必要がある。何よりも国民は、第2の「6月抗争」を繰り広げるという気持ちで、与野各政党で起こっている反革命的試みへの徹底した監視と是正に参加しなければならない。

苦痛を伴っても韓国民主主義の成熟のために、内部告発者の役割を快く担った金槿泰議員のように、与野党いずれからもより多くの政治指導者が、このような役割を自ら進んで果たさなければならない。国民競選に参加する有権者や党員も、金銭のばらまきなどの反民主的慣行を強く拒否し、先頭に立って監視していかなければならない。

市民団体やマスコミも乗り出すべきだ。韓国の民主主義を成熟させ、確固なものにできるこの歴史的好期を十分に活かすためには、政治革命を逆流させようとするすべての反革命的試みを積極的に見つけ出して、是正しなければならない。

そうしてこそ、韓国の政治が未来に向けて大きな一歩を踏み出せるのだ。世界経済フォーラム(WEF)が、75カ国を対象に最近発表した「2002年世界競争力報告書」は、韓国のマクロ経済の環境を8位、科学技術力を9位とする一方、政治競争力は52位と評価した。これが韓国政治の現住所である。これでは韓国経済を世界一流のレベルに跳躍させることは不可能だ。

韓国社会全般の発展に足かせとなっている韓国政治を革新させ、民主主義を一段階高めるためには、真の政治革命が切実に必要な時だ。そしてその課業は、韓国国民全員の役目なのである。

成鍫饠(ソン・ギョンリュン)翰林(ハンリム)大学教授(社会学)