韓国の研究チームが、人から取り出した細胞核を牛の卵子に移植し、人間の遺伝子を持っている研究用クローン胚づくりに成功した。
マリア生命工学研究所の朴世必(バク・セピル)博士チームは8日、30代の女性の耳の細胞から核を取り出して、核が取り除かれた牛の卵子に移植し、人間の遺伝子を99%以上持っているクローン胚を作り出すことに数回成功したことを明らかにした。
研究チームは、昨年10月にクローン胚づくりに初めて成功したが、公開せず、科学技術部(科技部)が治療目的のヒト胚づくりの容認を前向きに検討すると発表したことを受け、この事実を明らかにした。
朴博士は「クローン胚から治療用の幹細胞を取り出すために研究を進めてきたが、まだ、取り出すことはできなかった」とし、「世界でクローン胚から幹細胞の抽出に成功した国はまだない」と語った。
クローン胚は人間の細胞核と牛の卵子を融合させ「胚盤胞」にまで成長させたもので、牛の卵子の細胞質に含まれているミトコンドリア遺伝子以外は人間の遺伝形質を持っている。
朴博士は「クローン胚の核の遺伝子は100%人のものであるため、クローン胚の核から取り出した幹細胞を細胞や組織に分化させると、拒絶反応なしで人間に移植でき、難病を治療することができる。現在、クローン胚の成功率は10分の1であり、実験のために多くの卵子が必要だが、提供者の同意が得にくく、その代案としてこの2年間、牛の卵子を使ったクローン実験をしてきた」と話した。
一方、宗教、女性、環境分野の68の市民団体からなる生命倫理法共同キャンペーン団は、科技部のヒト胚づくり容認の検討と関連して、8日、ヒト胚づくりを禁止する生命倫理法の制定を強く呼びかけ、激しい論議となりそうだ。
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