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春、疲れの季節「甘く見てはいけない」

Posted March. 11, 2002 10:34,   

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「疲労感さえなくなれば、万事OKなのに」

疲労感(疲れ)のために生活そのものが疲れる、という人も少なくない。とりわけ春の陽気が増すにつれ、気だるさや慢性疲労を訴える人が増えている。

疲労は、行動障害を起こす。実際、オーストラリアのある研究結果によると、眠るべき時間から17時間も寝ないで疲れがたまると、血中アルコール濃度が0.05%(運転免許停止にあたる)、28時間ものあいだ睡眠を取らないと、 血中アルコール濃度 0.1%(免許取消し)状態の人とほぼ同じような行動障害が起こる。

疲労は、さまざまな要因が複雑に関係しているため、一言で規定づけるのは難しいうえ、その原因と種類もさまざまである。ある大学病院の教授は、私が疲労について根掘り葉掘り問いただすと「よく分からない。そんなに問い詰められると疲れる」と言っていた。

疲労も、原因を知らなければ直せない。事実、医学界でも疲労について明らかにされているのは、夜の窓際に映された女人のシルエットのように、おぼろげな状態だ。

疲労は、たいていの場合、体から送られてくる「休みたい」というシグナルだ。脳の視床下部と脳下垂体、お腹の中にある副腎で構成される「エネルギー自動感知システム」が、体の中のエネルギーの貯蔵量と消耗量を測り、消耗量が多い時に「休むべきだ」としてシグナルを送るのである。この時、体の随所には代謝物質の残りかすである、焦性ブドウ酸や乳酸などが堆積してさまざまな症状が現われる。

疲労といっても、全て悪いわけではない。汗を流して運動した後や、「激しい愛」や激務を終えた後の心地よい疲れは、明日の活力のもとになる。

春の気だるさは、1〜3週間ほどでおのずとなくなる疲れだ。春になり気温が上がると、冬の間中、縮まっていた体の筋肉がほぐれ、体のだるさを感じるようになる。また、春は体の代謝量が多くなる季節だ。就職、入学など身の上の変化も多く、ストレスがたまっては疲れを感じやすくなる。

しかし、疲労感が1ヵ月以上であれば病的な疲労であり、6ヵ月以上続くと「慢性疲労」であるため、病院で原因を突き止めて治すようにしなければならない。慢性疲労の30%程度は、結核、肝炎、糖尿病、甲状腺疾患、肺疾患、貧血、がん、心臓病、リューマチ性疾患など、各種病気のシグナルである。そして30〜40%はストレス、不安障害、憂うつ症など、精神的な原因から起こるものだ。神経安定剤、血圧降下剤、避妊薬など、くすりのために起こることもあれば、原因が突き止められない場合もある。

慢性疲労も、原因を取り除き、休息と栄養を適切に取る生活療法を忠実に行なうことで、治すことができる。

ほとんどの人が「慢性疲労=慢性疲労症候群」と考えているが、実はそうではない。慢性疲労症候群は慢性疲労のひとつではあるが、原因はまだ明らかにされていない。これは、一日働けば一日以上を休まなければならないくらい激しい疲れが繰り返されるもので、このような患者はごく稀だ。

慢性疲労症候群は△のどの痛み△のどと腋のリンパ節の痛み△筋肉痛と関節の痛み△新たに生じた頭痛△充分睡眠を取っても続く疲労△運動の後一日以上続く疲労など、6つの症状のうち4つ以上にあてはまれば、ひとまず疑うことができる。

完治薬はなく、患者の状態に応じて憂うつ症治療薬、ビタミン製剤、ハイドロコルティソンなどで症状を和らげることができる。

(アドバイス:成均館大学医科大学三星ソウル病院家庭医学科 イ・ジョンゴン教授)



李成柱 stein33@donga.com