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[社説]これ以上傍観できない北朝鮮の人権問題

[社説]これ以上傍観できない北朝鮮の人権問題

Posted March. 16, 2002 09:05,   

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韓国への亡命を希望して、北京駐在のスペイン大使館に駆け込んだ北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の脱出者25人が昨日第三国へと出発し、近日中にソウル入りするものとみられる。昨年6月のチャン・ギルス君家族の処理方法が今回も適用された。当事者としては幸いなことだが、今後はこれと似たようなケースが再発する可能性が高いという点で、政府は中国での脱出者保護にむけて、より抜本的な対策を講じなければならない。

なによりも、北朝鮮の人権問題がこれ以上傍観できないまでの状況にいたったことを再三認識させられた。今回脱出者が公開した声明書がその端的な証拠であり、北朝鮮脱出、送還、再脱出を繰り返しながら、かれらが経験しなければならなかった挫折感と絶望、恐怖が行間に強くにじみ出ていた。1997年から二度にわたる脱出に失敗し、今回で三回目だというイ・ソン氏(仮名)の夫人は、「強制送還された後、監獄で木にさかさまにつるし上げられて、むち打たれた」と打ち明けた。脱出者はまた、子どもたちが韓国で人間らしく生きていけるように、死を覚悟して脱出したと述べた。こうした人権死角地帯が他でもなく、すぐ隣にあったという事実がわたしたちを悲しませている。

北朝鮮の人権問題はもはや、国際的な関心事となっている。今回脱出者を手助けしたドイツ人医師ノルベルト・フォラツェン氏の場合がそうだ。ここ数年、北朝鮮の現実を身をもって体験した多くの外国人が、北朝鮮の人権問題を外部に知らせるのに大きな役割をしている。一方では、米国も今後の対北朝鮮交渉で、人権問題を本格的に取り上げようとしている。こうした状況からして、北朝鮮がこの問題に目をそむけてばかりいては、外部の世界から得られるものは何もないという事実に気づくべきだ。

韓国政府も北朝鮮の人権問題に関するかぎり強く主張しなければならない。政府はこれまで太陽政策のために、できるかぎり北朝鮮の人権問題に目を背けてきた感があるが、その間の南北和解が北朝鮮住民の苦痛をどれだけ和らげることができたのかを省みなければならない。現在としては、外部の持続的な関心と抗議だけが北朝鮮の人権問題を改善することができるだろう。