朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からの脱出者25人が、14日、韓国への亡命を求めて中国北京のスペイン大使館に駆け込んだ決死の亡命は、北朝鮮脱出者らが中国政府から難民の地位を獲得できるようにするために、国内外の脱出者関係団体によって、緻密に計画されていたことが分かった。
北京で脱出者らを支援して、17日に帰国した「拉致された脱出者の人権と救命のための市民連帯」の都希侖(ト・ヒユン、35)スポークスマンは、「今回の事件は、脱出者が中国で難民の地位を獲得できる先例を作るためのものだった」と明らかにした。
都スポークスマンは、「中国にいる数十万人もの北朝鮮脱出者にとっての緊急課題は、難民地位の獲得だ。今回の駆け込みは、国内外の団体が緻密に計画を立てて決行した」と語った。
難民の地位が認められるには、人種、宗教、国籍、特定の社会集団に所属していることや、政治的な見解などを理由に自国で迫害を受けているだけの十分な根拠がなければならず、単なる経済的な貧困は理由にならない。また、自国に強制送還されないためには、強制送還されれば深刻な迫害を受けることが予想される場合に限られる。
都スポークスマンは、「こうした条件を満たすために、脱出者の中で身元が比較的確かな人を選定するのに苦心したし、脱出者らは亡命の理由、強制送還の際に予想される深刻な処罰などが書かれた説明書を準備し、英語に訳されたものを持ってスペイン大使館に駆け込んだ」と説明した。
また、「25人のうち、飢餓のために北朝鮮を脱出したキム・ヒャンヤン(16、仮名)君が問題だったが、事情が事情だけに今回の亡命駆け込みメンバーに含めざるを得なかった。そのかわり質問に答えられるように、事前に難民地位を獲得できる正当な理由を何度も練習させた」と事情を明かした。
難民の地位について、都スポークスマンは、「過去の脱出者らは亡命を要請しても、準備不足で難民地位の獲得に失敗した。このため今回は、脱出者がスペイン大使館に長期間とどまり、徹底的に準備した資料を通じて、難民認定を獲得することが当初の目的だったが、中国政府があまりにも早く国外追放を断行したため、所期の目的を達成できずに終わった」と語った。
朴民赫 mhpark@donga.com