世界経済の牽引車の役割をしてきた米国の株式市場が最近、急速に活気を失いつつある、とアジア・ウォール・ストリート・ジャーナル(AWSJ)が25日報道した。
それによると、ここ1年間エマージング・マーケット(新興市場)の株式投資収益率が米証券市場を大きく上回り、国際金融資本が米国から他の国へ流れる逆流現象さえ予想されていると同新聞は伝えている。
▲脚光を浴びるエマージング・マーケット〓アジア・ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ここ52週間、エマージング・マーケットの平均株価上昇率は、11.3%(米MSCI社の世界株価指数基準)に達する。これに対して米ダウ・ジョーンズ指数の同期上昇率は4.1%。
アジアの代表的な市場、韓国の場合、3月22日現在、年初対比総合株価指数の上昇率は25.6%に達している。これに対して米国の平均株価(MSCI指数)は同期間の上昇率が0.5%にとどまった。グローバル・ファンド・マネージャらは、「米証券市場より新興市場の収益率が高く現われる現象が今後3〜5年間継続すると、米国から他の国へ資金が流出する逆流現象が起りかねない」との見通しを見せた。
モルガン・スタンレー社の投資分析家であるジェイ・ペロウスキーは、最近の経済動向報告書を通じて、「世界経済は米国の主導の下で動く単一市場の形態からアジア、欧州、米国市場が中心になって動く三角構図に変りつつある」と分析した。また、「新興市場の米証券市場の追跡や追い越し現象は今後さらに加速化するだろう」と述べている。
▲景気弾力に価格メリットまで〓経済専門家らは、こうしたエマージング・マーケットの強含みを「ディカプリング効果(decoupling effect、分離効果)」と説明したりしている。世界経済が全般的に低迷の沼から回復へと向かっているが、米証券市場は依然バブルがはじけていないため、相対的に株価が高いという認識が広がっているとみている。
景気が底を打ち、回復へと向かう時、エマージング・マーケットがさらに強い景気弾力を受けるということ、相対的に低く評価されてきたエマージング・マーケットの「価格メリット」が同時に浮き彫りにされれば、ニューヨーク証券市場と差別化されているということだ。
米フィデリティ証券会社でグローバル・ファンドを運営するスティーブ・オス取締役は「高収益をねらった資金の、米国から他国への資金流出は免れない」とし、「ただ問題はその時期だ」と語った。
JPモルガンのエコノミストであるジェイムス・グラスマンも、「現在米国が世界の証券市場をリードするには息切れがしているという見解にまったく同感だ」と述べた。だが、「米証券市場はもちろん、世界のどこの市場もそのように低く評価されているとは思っていない」と付け加えた。
金正眼 credo@donga.com