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20世紀の名指揮者、その感動をもう一度

20世紀の名指揮者、その感動をもう一度

Posted March. 27, 2002 09:35,   

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20世紀を代表する、指揮界の巨匠60人の名演奏が「2for1」(1枚の値段で2枚)120枚の全集として復活する。これはEMI、DC、デッカ、フィリップス、RCAなど世界を代表するクラシックレーベルが「連合戦線」を繰広げるメガプロジェクトだ。

チェコ指揮界の巨匠、カルロ・アンチェルルのアルバムから始まり、このほど1次分として15種が披露された「20世紀の偉大なる指揮者たち」。今年末をメドに60人の指揮者の演奏すべてが、順次発売される予定。

今回のプロジェクトのモデルとなったのは、フィリップス社が1999年に発売した「偉大なるピアニストシリーズ」。大手レコード会社が所有する音源を集めて、74人の大ピアニスト全集として完成させたこのプロジェクトは同じ年、グラモフォン音盤賞の特別賞を受賞した。

今回スタートを切って紹介された、15種を彩る巨匠たちは、アンチェルルの外に、エルネスト・アンセルメ、ジョン・バビロリー、アンドレー・クルィタンス、ペレンツ・フリチャイ、エーリッヒ・クライバー、セルゲイ・クセビツキー、イゴール・マルケビッチ、ユージン・オーマンディー、ブルーノ・ワルターなどそうそうたる顔ぶれ。十分な知名度を確保している彼らと違って、なかなか音盤が手に入らなかった、アトウルフ・アルヘンタ、フリッツ・ブシュ、二コライ・ゴロバノフ、二コライ・マルコ、カルロ・シューリッヒトなど、一般には多少なじみ薄い名前も目につく。

フィラデルフィアオーケストラを率いて、錦のような弦の調べで「オーマンディーサウンド」という伝説を残したオーマンディーは、生前の名声に比べ死後、厳しく評価された人物。氏の演奏で聴くラフマニノフの交響曲2番は、燃えるような熱い音色で耳を圧倒する。70年代に音楽観賞を始めた「一世代前のオールドフアン」にとっても、十二分に思い出多き全集になれることを示唆している。

アンチェルル指揮のドヴォルザークの交響曲8番、バビロリーの演奏するマーラーの「復活」、ワルターのベートベン「田園」も、はっとするほどすばらしい演奏。

過去の名演が、絶対的な名演だとは断言し難い。新たに出現している名演に比べ、過去の演奏に過度なスポットライトがあてられる現実が、今日の音盤市場の活力を落しているとする声も根強い。にもかかわらず、歳月の厚い抵抗の壁を打ち破って生き残り、過去の「主観」と荒っぽい「個性」をも伝えている、かつての名演は、充分過ぎるほど再びスポットライトを浴びるだけの価値がある。デジタル時代の名演に、さらに多くの関心を持ってほしいと言いながらも、つい、あの頃の巨匠たちの息づかいに、改めて耳を傾けてしまう訳である。



劉潤鐘 gustav@donga.com