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[社説]「6歩歩いて立ち止まった」国民競選制

[社説]「6歩歩いて立ち止まった」国民競選制

Posted March. 27, 2002 09:34,   

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与党民主党の「国民競選制」が傾きだした。現在まで16の地域のうち6地域の予備選挙が行なわれたが、「6歩歩いて立ち止まる」形となった。もとより予備選挙で形勢の悪かった候補が途中で辞退することは、自然なことだ。しかし、今の状況をそのように原論的に受けとめることは容易ではない。いくつかの「後味の悪さ」が残っているためだ。

第一に、事実上予備選挙放棄の動きを見せている李仁済(イ・インジェ)候補が主張する「陰謀論」である。「金心(金大統領の支持)」が、盧武鉉(ノ・ムヒョン)候補の方に傾き、予備選挙が公正さを欠いて進められるというのだが、事実のいかんはともかく、このような疑惑が提起されること自体が、党員以外の一般国民にも投票してもらう「国民競選」の本質を深く傷つけるのである。李候補陣営は、口だけで疑惑を提起するのではなく、具体的証拠を挙げて「見えない手」の実体を明らかにしなければならない。万一「陰謀論」が実在するならば、これは予備選挙の公正さを根本的に害することであり、国民は決して容認しないだろう。

第二に、党内の予備選挙でも地域主義が深刻であるという点である。李候補が現在トップを走っているにもかかわらず、予備選挙放棄を考えるようになった直接的な原因は、金重権(キムジュンクォン)候補の辞退にあるという。金候補の辞退で、盧候補が「嶺南(ヨンナム)単一候補」に浮上したため、これ以上の予備選挙は無意味だというのだ。地域主義が強く作用する状況では、「国民競選」の意味は色あせるしかない。しかし、これが現実であり、政治家誰もが地域主義から自由ではないということが、今回の民主党予備選挙で明るみになったのだ。しかし、地域主義のせいにする前に、それを克服しようとする姿勢が先行しなければならない。

ともあれ、李候補が予備選挙を放棄するかどうかはともかく、民主党の「国民競選制」が、スムーズに進むことはもはや難しい。せっかく国民の関心を得た「政治実験」が途中でご破算になることは、「狭い領土と地域色」の限界を超えることができなかった残念な結果である。