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青梅、紅梅咲き乱れる古刹 順天・仙岩寺

青梅、紅梅咲き乱れる古刹 順天・仙岩寺

Posted March. 28, 2002 10:59,   

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高興(ゴフン)半島を後にして、全羅南道順天市(チョルラナムド・スンチョンシ)スンジュ邑、湖畔道路(サンサ湖)を次々と通り過ぎて、曹渓山(チョゲサン、郡立公園)にたどり着いた。黄砂は、物凄い勢いで吹き荒れたものの、仙岩寺(ソナンサ)の森は、それにもかかわらず平穏にみえた。昨夜の雨のせいだろうか。谷間に咲くサツキの真紅の花びらは、ひときわ鮮やかな色を誇り、春の日照りにやせていた柏の樹皮も、水気を含みしっとりと濡れていた。小川に沿って伸びている林道をゆっくりと上ること、およそ20分。

僧塔と木製の標木(チャンスン)を過ぎると、虹の形をした石橋の昇仙橋(スンソンギョ)が見えてきた。寺院の橋。世相の風じんに汚れた俗世から、仏国浄土を成した法界へと導く、苦しみのこの丘(彼岸)から、涅槃(ねはん)のあの丘(此岸)越えて兜卒天(とそつてん)へと導く、あの悟りの橋ではないか。山の向うの松広寺(ソングァンサ)では凌虚橋(ヌンホギョ)を、ここ仙岩寺では昇仙橋を渡って初めて仏様に会えるのだ。澄んだ目を持つ人は、橋の上で流れる水を見ても悟りを開くことができるとと言われる。

仙岩寺に行くためには、昇仙橋を渡らなければならなかった。しかし、道路ができてからは渡る必要がなくなり、専ら観賞用になってしまった。その、古き道をわざわざ渡ってみることもできたが、今はそれができないのだ。崩壊の恐れがあり、道を塞いでしまったからだ。石が織り成す虹と、その中にたたずむ降仙楼(ガンソンル)の調和(谷間の水辺から見ることができる)は、仙岩寺を代表する傑作と言えるくらいの風景であるが、それさえも見られないというから、歯がゆい思いがした。

日柱門(イルチュムン)に向かう坂道。背の低い茶の木が、こんもりと森を成していた。800年もの歳月を、悟りに向けて修行精進していた禅僧や学僧の道連れになってくれた、茶の木。茶畑を過ぎると、空を覆いつくす杉の森である。道詵国師(ドソングクサ、仙岩寺を創建した高僧)が造った(862年)とされる小さな池の「三印塘(サムインダン)」が、その森の端にあり、茶屋の「ソンガクダン」は、池の前にたたずんでいた。

日柱門を通って入った境内。古色蒼然とした堂宇(ダンウ、大小の建物)が、一列(階段式)に配備された梵鐘閣、本堂、捌相殿(パルサンジョン、釈迦の八相を祭った法堂)の両手に方々散らばったまま、軒を突き合せて集っていた。その堂宇の間ごとに植えられている梅の古木。樹皮に生えている厚ぼったい苔を通して、千年古刹の風貌が感じ取られた。

今、境内は花園のようだ。ちょうど、ほころび始めた黄色い山茱萸(さんしゅゆ)と白い木蓮の花、樹齢数百年の椿の下には、房ごと散ってしまった赤い椿の花で、周囲が真っ赤に染まっていた。本堂の裏手、無憂殿(ムウジョン)前の塀の傍に立っている梅の古木には、青梅と紅梅が華やかに咲き誇っていた。裏山に近い塀の傍には、花のトンネルができていた。4月の末ごろ、八重桜が咲くまで次々と咲いては散っていく花々でにぎわう山寺。仙岩寺の春は、こんなにも華やかだった。



summer@donga.com