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[オピニオン]泥仕合の大統領候補予備選挙

[オピニオン]泥仕合の大統領候補予備選挙

Posted March. 30, 2002 09:31,   

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与党民主党の予備選挙が、今日と明日、慶尚南道(キョンサンナムド)と全羅北道(チョルラプクト)で行なわれる。16地域のうち、先週までに6地域が終わり、今や中盤戦に入ったわけだ。ところが、すでに勝負がついたのも同様と言うから、する側も見る側もやる気が薄れている。結果は明らかという予備選挙をどうしてするのかと思うだろう。ともかく、李仁済(イ・インジェ)候補が、してもしなくても同じ予備選挙の引き立て役にでもなれというのか、と腹を立てたのも、それだけの理由があったのかどうかは、今週末に票で判定されるだろう。李候補が、予備選挙の放棄直前まで行ったのを見れば、以外な結果が出ることは難しいだろう。あちこち様子をうかがって、どうみても駄目だと考えたから、投げ出そうと思ったのだろう。誰がみてもトップを走っている候補なら、何の理由もなく辞退するはずがない。

ここで、過去の経緯を振り返ってみよう(以下尊称省略)。3月9日の済州(チェジュ)予備選挙。韓和甲(ハン・ファガプ)1位、李仁済2位、盧武鉉(ノ・ムヒョン)3位。票田が小さいため韓和甲の組織票が力を発揮したという大方の分析だ。3月10日の蔚山(ウルサン)。盧武鉉1位、金重権(キム・ジュングォン)2位、李仁済3位。慶尚道出身が1、2位を占めたことで、地域対立主義がかなり作用したことがわかる。3月16日の光州(クァンジュ)。盧武鉉1位、李仁済2位、韓和甲3位。ここから波乱が予告される。慶尚道出身の盧武鉉が、

なんと光州で1位になった。「光州は偉大だ」という声があちこちから聞かれた。東西和合の「歴史的な場」を開いたということだ。もとより、そのような意味づけに、けちをつけるつもりはない。しかし、ひと皮むけばそれは「光州の戦略的選択」であったことが分かる。

光州の戦略的選択というのは、ひと言で、大統領選の本番で野党ハンナラ党の李会昌(イ・フェチャン)候補を倒す可能性が高い「対抗馬」を押そうということで、李仁済よりは盧武鉉がましだということだ。光州予備選挙の日前に発表されたいくつかの世論調査の結果、李会昌とやり合う場合、李仁済は依然として劣

勢を免れないのに対し、盧武鉉はむしろ優勢だという「驚くべきのうわさ」が流れた。これが、光州の戦略的選択に相当な影響を及ぼしたという点は、容易に推測できる。しかし、その内容を覗いて見ると、光州で盧武鉉は李仁済より104票より多く獲得しただけだ(得評率は、盧武鉉37.9%、李仁済31.3%)。当然、トップに立つものと信じていた李仁済にとってはショックだったろうが、光州の戦略的選択という観点でみると、むしろ李仁済の潜在力のしたたかさを示した結果であるとも解釈できる。

あえて「陰謀のにおい」を挙げるなら、江原(カンウォン)(3月24日)で、李仁済が盧武鉉に7票差で負けた翌日、3位の金重権が突然辞退したことが挙げられよう。金重権が引き下がることで、TK(大邱市・ 慶尚北道)票の大半が盧武鉉に入る公算が大きくなったためだ。しかし「陰謀論」が説得力を得るためには、ある程度具体的でなければならない。「火のないところに煙は立たない」程度では困る。

盧武鉉の「オーバー」にも眉をひそめる。予想点が出たからといって、予備選挙が終わるにはまだ先が長いのに、早くも候補になったかのようだ。政界再編の話は、取らぬ狸の皮算用と言える。方式もそうだ。「民主党的思考」のハンナラ党員を連れてきて、党勢を拡大しようというのだが、その場合「ハンナラ党的思考」の民主党員はどうするのか。大義名分はどうであれ、人為的な政界再編は、民意を無視しわい曲させる。

すでに予備選挙の舞台は、盧・李間の理念論争に移された。止めることもないだろう。一国の大統領になるとする人物の理念検証は、徹底的であればあるほどいい。ただ、泥仕合のネガティブゲームではなく、自分の考えはこうで、相手の考えはどうであるかというポジティブゲームをやってもらいたい。是非とも。

全津雨(チョン・ジンウ)論説委員