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[オピニオン]「3金政治」の終焉はまだ?

[オピニオン]「3金政治」の終焉はまだ?

Posted April. 03, 2002 09:30,   

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M論説委員へ。

私たち二人が、ジャーナリストと愛読者としてお会いしてから、政治を語り合ったのも、早1年が経ちましたね。昨年5月に交わした、私たちの対話を急に思い出したのは、巷の噂となっている「盧武鉉(ノ・ムヒョン)現象」について、私もひとこと言わせてもらいたいからです。当時、民主党にとって「李会昌(イ・フェチャン)大勢論」と闘える唯一の代案は、3金(金大中、金永三、金鐘泌)氏の支援を受けている某有力者だけだと、ある僧侶が「予言」したとする噂が、密かに出回っていました。私は、世論を科学的に研究する者として、道士(修行により道義を得た人)の予測など信じられないと言いつつ「盧武鉉を注目して下さい。爆発的な潜在力の持ち主です」と附言しました。あなたは、民主党の看板役として慶尚道(キョンサンド)で票を稼ぐのは難しいだろうと、否定的な反応を見せておられました。

私は、盧武鉉の人気をバブルだと貶毁する説明にも、地域的基盤のため続くだろうとする解釈にも同意しませんでした。私が、盧武鉉の爆発的な可能性を予測したのは、政党構図の誕生と成長、消滅、そして再誕生を説いている、政党再編成論に基づいているのです。

政党構図は、亀裂的な争点に基盤を置いて編成されます。ところが、従来の争点が新しい問題を解決する上で、これ以上適実性を持たなくなるとき、既存の政党を離れる有権者の数が急増し、棄権者も増えるものです。この時、新たな問題の解決法をめぐって、政党間で新たに亀裂が生じ、政党の再編が起こります。既存の政党に対する有権者の支持基盤を揺さぶり、新たな多数党が誕生することもあります。

1987年の民主化以降、民主対反民主の構図が適実性を失い、地域構図へと政党が再編されました。しかし、地域色の強い政党は、懸案の解決には向いていないということを、DJP(3金)連合の失敗が証明してくれました。地域政党離れが持続的に進んでいたにもかかわらず、新たな代案がなかったために、有権者の政治不信が増していたのです。これまで、政党の解体が広範囲に進められ、既存の政党から離れる有権者が多く、選挙の流動性が高まるにつれ、今回の大統領選挙結果は誰も予測できないというのが、私の予てからの主張でした。これは逆に、今回の大統領選挙で政党の再編が行なわれる可能性が高いということを示唆するものです。そして、政党の再編に必要な3つの条件を満たしている人が、すなわち盧候補であることから「盧武鉉ブーム」が登場した、というのが私の解釈です。

先ず、政党の再編が起こるためには、政党が差別的な代案を示さなければなりません。ハンナラ党と区分づけられる、盧候補の明確なアイデンティティーが政党の再編とあいまって、代案として登場したようです。第2に、国際通貨基金(IMF)の管理体制下に置かれた経済危機以降現れ始めた、理念による投票が、今回の大統領選で本格化するものとみられます。従って、政党の再編は、理念的な亀裂によって起こる可能性が強く、穏健派の鄭東泳(ジョン・ドンヨン)候補よりは、進歩的な性向の盧候補に多くの支持が寄せられたわけです。第3に、本格的な政党の再編は、既存の地域による亀裂をクリアーできて初めて成功すると言えるのですが、領南(ヨンナム、慶尚南北道の別称)出身の盧候補が、既存の地域による亀裂に、大して違和感を与えずに便乗するとともに、ハンナラ党の支持基盤を分かつのに最適任者であったわけです。領南地域における盧武鉉の支持を、もう一つの地域主義としてのみ解釈するのは正しくないと思います。

にもかかわらず、候補たちが競って金永三前大統領を謁見しようとするほど、ボス政治の神話から自由でいられないのは、実に残念なことであります。今回の大統領選では、地域主義や3金に頼る候補ではなく、最も理性的な有権者の心をつかめる候補が勝利を収めることになるであろう、という事実を忘れてはならないでしょう。