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「おもしろい映画」韓国映画マニアなら面白さは倍増

「おもしろい映画」韓国映画マニアなら面白さは倍増

Posted April. 08, 2002 09:36,   

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国内初の本格的なパロディー映画「おもしろい映画」は、タイトルが勇ましい。

この「おもしろい映画」は、少しでも飽きてくれば「おもしろくない映画」と、タイトルからパロディーされるのにぴったりだ。

それだけ映画に自信がなければ、なかなか付け難いタイトルなのだ。「おもしろい映画」は、果して面白いのだろうか。

この映画のストーリーの基本的な枠組みは「シュリ」。ハン・ソクキュとキム・ユンジンが演じた南北の特殊要員は、それぞれ韓国の特殊警察と日本の右翼の天軍派要員ファンボ(イム・ウォンヒ)とサンミ(キム・ジョンウン)にパロディー化された。

村上(キム・スロ)とカプドゥ(ソ・テファ)は「シュリ」のチェ・ミンシクとソン・ガンホのキャラクターを真似た人物。

W杯サッカーの韓日共催を控え、これを阻止しようと企む天軍派のボス、村上(キム・スロ)一味が韓国に潜入する。彼らは、金大統領と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の金総書記、そして日本の天皇が参観する公演会場で爆弾テロを企て、ファンボはこれに立ち向って闘うという内容。ところが、途中別の映画が入り交じってしまい、話は「ごちゃごちゃ」に入り交じってしまう。

例えば、ファンボ(イム・ウォンヒ)が海兵隊員として「共同海上区域JSEA」に勤務しながら敵軍の村上と知り合うとか(共同警備区域JSA)、除隊後、電車の中で酒に酔った女に出会い、恋人になる、といった具合(猟奇的な彼女)。また、ファンボに追われていた村上は線路の上から逃げる途中、目の前に列車が迫ってくると、両手を広げて絶叫する。「俺は…帰ろうかな〜♪」(ペパーミントキャンディー)。

さらに「映画の中の映画」の形式を借りたパロディーも、それとなくお目見えしている。ファンボとサンミが見に行った映画のタイトルは「飛天門」(飛天舞)。

パロディーの前提条件は「知れば知るほど笑える」。したがって、たくさんの人が観た映画ほど、観客の笑いも大きくなるもの。

「同感」から始まった映画は「チング(友達)」「シュリ」「猟奇的な彼女」「情け容赦など要らない」「共同警備区域JSA」「ツーコップス(二人の刑事)」「うそ」「西便制(ソピョンジェ)」など興行に成功した作品を一通り手掛けて、最後は「約束」の中のワンシーンで締めくくる。この映画に登場する韓国映画は合計28本。もちろん、パロディーしたシーンの長さもやはり興行の順。

昨年、全国から300万人以上の観客を動員した興行作品のうち、この映画に登場しない「出来損ない」は「極道な妻」と「達磨さん遊ぼうよ」そして「頭師父一体」だけ。

韓国映画に詳しくない人でも「チング(友達)」と「シュリ」、「猟奇的な彼女」さえ観ていれば、この映画の主要なシーンでは、ほとんど笑える。

パロディー映画にもかかわらず、普通の映画制作費を上回る45億ウォンを投じているだけあって、画面の構成もち密だ。所々で幼稚な笑いや多少長く感じられる部分もあるが、全体的には、軽い気持ちで笑って楽しめる娯楽映画。

スペシャルゲストで出演したパク・キョンリムが、整形手術でキム・ジョンウンになったのを見て、キム・ジョンウンがイ・ヨンエに変えてほしいと医者に突っかかるシーンや、「うそ」とエロビデオをパロディーした部分で、男性の主要部分にモザイクをかけて「19歳以上」を画面に表示したのも、ジャン・ギュソン監督の新人らしいアイデア。もちろん「金縛りに遭った」と言ったところで、布団の上に置いてあった本物のハサミを退けるとか「クロスステッチ(十字刺繍)をする」サンミが「シップ(ハングルの十)」「10」「十」の字ばかり刺繍するシーンなど、言葉遊び的な水準のユーモアもある。

パロディー映画のカギは、やはりシナリオ。パロディーは、大部分が名場面の「継ぎつなぎ」に終りがちだが「おもしろい映画」は、結構中身がしっかりしている方。

しかし、従来の童話を愉快に覆した「シュレック」の水準の、独創的でしっかりしたパロディーストーリーを期待する観客には「おもしろい映画」が面白くないかもしれないけれど。12日封切り。15歳以上観覧可。



康秀珍 sjkang@donga.com