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[社説]経済よりも選挙に勝つことが先?

[社説]経済よりも選挙に勝つことが先?

Posted April. 12, 2002 09:37,   

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京幾道の知事選挙に出馬するか否かをめぐり意見が分かれていた陳稔(チン・ニョム)副首相兼財政経済相が出馬の意を固めたらしいというニュースは、政府与党が選挙で勝つためには、どんなこともできるということを如実に示している。

氏が出馬しようがしまいが、それは本人の自由だが、公人である陳副首相の優柔不断な態度は、実に失望としか言いようがない。先月下旬、氏が「経済をだめにすること」だとして出馬を頑なに否定してから、今日「ぜひとも必要であれば熟慮したい」と、言葉を変えるまでの過程をみると、陳副首相はこれまでの政治家も顔負けの資質を備えているといった気がする。「政治が経済を揺さぶってはならない」と叫んでいた氏が政界に入門するとすれば、わが国の経済はこれほど信頼性のない副首相によって牛耳られていたとする、情けない記録を残すことになるだろう。

氏自身よりもっと悪いのは、政界と大統領府の反応である。政界、つまり民主党が執拗に陳副首相を選挙の場に追い立てるのは、与党が経済も何も関係なく、地方自治体の長を選ぶ選挙で勝てさえすればよい、といった具合の考え方をのぞかせるのである。どうやら、地方選挙で勝った後、その勢いで大統領選でも勝利を収めたいというのが本音のようであるが、これほど経済を甘く見ている与党を、国民がどのような審判を下すかは、その時までのお預けとしよう。

さらに、今回の出来事と関連して、大統領府青瓦台はあいまいな態度を捨て、明確な立場の表明がなされるべきだ。金大中大統領は、政治には一切かかわらず国政に専念するとの意向を明らかにしたが、内閣改造が先行されなければならない状況の展開を大統領が容認するとすれば、それは何を意味するのであるだろうか。だからこそ、陰謀論と金心(金大統領の介入説)の話が取りざたされるのである。経済政策の一貫性を保つために副首相を留任させたと言って、まだ3ヵ月足らずというのに、もはや一貫性は要らなくなったということなのだろうか、気になるところだ。

政府の中で経済政策を扱っていた人材たちが、そのキャリアをもとにほとんどが政治へと席を移すことで、同分野のベテランがほとんど存在しなくなったことは、わが国の経済史における悲しい現実だ。

陳副首相は、これにもう一つの悪い先例を足すのであろうか。