東亜(トンア)日報は、在日韓国人作家である柳美里(ユ・ミリ)氏の新たな長編小説「8月の果て」を18日付から日本の代表的正論紙、朝日新聞と共同連載を始める。韓国と日本の新聞がある作家の小説を同時に連載するのは両国マスコミ史上初めてのこと。
柳美里氏は97年、小説「家族シネマ」で日本の最高権威の文学賞である芥川賞を受賞した日本文学界の注目される作家のひとりだ。
「8月の果て」は、柳氏の外祖父で、日本帝国主義による植民支配時代(日帝、1910〜1945)、長距離陸上選手だった梁任得(ヤン・イムドク、1912〜1980)氏を中心に、独立(解放)前後の韓日両国の社会状況と移民史などを描いた長編小説。
柳氏はこの作品を書くため、2000年以降4回にわたって韓国を訪ねて、外祖父の故郷である慶尚南道蜜陽(キョンサンナムド・ミルヤン)などを取材し構想を整えた。
この小説は200万にのぼる在日韓国人の過去・現在・未来を代弁する作品でもある。柳氏は「在日韓国人は長いトンネルに閉じ込められている。出口を遮っている障害物を片づけるのに役立てて欲しい」と、執筆に臨む際に決意を示した。
この小説のさし絵は98年講談社の出版文化賞を受賞した日本のさし絵家、井筒啓之氏が描いている。
作品の翻訳は「家族シネマ」、「家族スケッチ」など柳氏の代表作を流麗な韓国語に翻訳し好評を受けたキム・ナムジュ氏が担当した。
終わらない韓日間の縁を象徴する「8月の果て」への読者の大きな声援を期待したい。