Go to contents

[社説」ソウル市のこんな「横暴」

Posted April. 13, 2002 10:14,   

한국어

ソウル市の厚顔無恥が度を越えている。ソウル市がホームレス保護施設として使用するために民間企業から無償で借りた土地と施設を、契約期限が満了して2年が経った今まで勝手に占有しているという。土地を貸した企業からみると、善行を施すつもりで始めたことが財産権まで大きく侵害されたことになる。今後、こういう福祉事業に参加する名乗りを挙げる企業が果たしてあるかどうか疑問だ。

繊維メーカーの(株)邦林(パンリム)が問題の永登浦区(ヨンドゥンポグ)ムンレ洞の土地約2000坪をソウル市に無償提供すると契約した期間は、1999年1月から2000年6月までだった。しかしソウル市は契約期間が20ヵ月も過ぎた現在もその土地を占有している。ソウル市側は「現在、この施設には700人以上のホームレスたちが住んでいる。今すぐにホームレスを受け入れる施設を他所に作ることは現実的に難しい」と弁明しているが、これは市当局がこれまで何の措置も取っていなかったことを自ら認めることに他ならない。(株)邦林は、これまで5回も文書を送って土地の返還を求めたが、その度に無視されたという。

さらにひどいことは、3月初めに(株)邦林が同土地をある建設会社に売却することを決めて、改めて返還を要請した時にソウル市が見せた行動だ。ソウル市は3月末にマンションなどの住宅の新築が可能だった同土地を、住居と商業施設の建設が禁止される「社会福祉施設」に用途変更する都市計画案をまとめて推進しているという。同案が承認されれば、ソウル市は所有者側と協議して土地を買い入れる計画だが、交渉が順調に進まない場合は土地収容法にもとづいて強制収容を前提にしているという点で、これもやはり私有財産権侵害の可能性が大きい。

民間との契約内容を守らないソウル市が市民たちに遵法精神を強調しても権威を持つことは難しいだろう。同事件は、ソウル市の時代錯誤な行政便宜主義の明確な一例と言える。何より、民間企業の善意がこのように悪用されては、今後「市民とともにする行政」は空念仏にならざるを得ない。