シェークスピア批評史
イ・ギョンシク著、ソウル大学出版部
全2巻、各巻810ページ3万7000ウォン・1128ページ4万9000ウォン
4世紀にわたるシェークスピア文学の主要批評を集大成した2000ページの膨大な学術書。
シェークスピアと同時代を生きたジョンソン・ウェッブスターの批評から、18世紀の性格批評、心象分析などを経て、20世紀の構造主義、解体論、マルクス主義、新歴史主義など、多様なシェークスピアへのアプローチ法を総網羅し、シェークスピア研究者には見逃せない資料だ。
18世紀までは、批評家がみなシェークスピアに好意的というわけではなかった。「三一致の法則」で知られた「三単一」法則など、当代の伝統を無視したためだ。
新古典主義の批評家は、シェークスピアの長所、短所を同時に指摘したが、19世紀ロマン主義の批評は、シェークスピアを神のような存在として崇拝する賞賛一辺倒だった。
20世紀全般には、歴史や伝記的要素を一切排したまま、文章だけを重んじた「詩的批評」が威勢を奮った。
さまざまな分析方法が台頭した今日には、その方法の長所を集合した統合的批評方法が唱えられたりもしたと著者は紹介する。著者はソウル大学名誉教授。
劉潤鐘 gustav@donga.com