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[オピニオン]大統領の親心

Posted April. 20, 2002 10:04,   

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「親が亡くなると山に埋め、子どもが亡くなると心に埋める」ということわざがある。子どもに対する親の愛情を強調した言葉だが、きっと種族繁殖のための子孫保護本能がその心を誕生させたのだろう。

そういう脈略から、金大中(キム・デジュン)大統領の息子3人がさまざまな疑惑を量産しながらマスコミに登場した際、そのような状況を作ったことを非難しながらも、一方では大統領の心情がどれほど痛いのかが気になった。どれほどひどくて入院までしたのだろうか。いわゆる大統領主治医という人たちが、お年寄りに対してそれほど深刻な胃腸障害をもたらす消炎鎮痛剤を処方したはずがないと思い、息子のことが気になって眠れず心配した結果、病気になってしまった金大統領に同情した。

そこで、芥子菜の種子ほどの信仰だけあっても山を移すことができるという聖書の句のように、当事者たちと与党側が芥子菜の種子ほどの反省と謝罪の気を持っているならば、この問題は水に流そうという決心までした。ところが、この文を書いている今朝に至るまで、反省どころか荒唐無稽で情けない主張ばかり繰り返している与党の姿を見ると、図々しさが度を越えているという気がしてならない。

民主党が4年間の与党生活を通じて、不満と闘争だらけの生まれ付きの野党体質を捨てられずにいるという事実は周知のことだ。しかし、こういう事態が発生したにもかかわらず国民に謝罪する姿勢を見せるどころか、かえって必死で責任をなすりつけようとする様子をみていると失望を禁じ得ない。そこで筆者はこの問題に関して、与党の姿勢が変わらない限り、機会ある度に彼らを一人ずつ取り上げて民主党の主張がいかに間違っているかを指摘したい。

初めに、三男弘傑(ホンゴル)氏の問題について、理解を深めるために過去、与党が野党の総裁を攻撃する時に取り上げた方法を代入しながら話を進めることにしよう。

与党はハンナラ党の李会昌(イ・フェチャン)候補が総裁を務めていた時期に、李候補が住んでいた「豪華」テラスハウスを集中攻撃して、かけた努力の数倍に至る効果をあげた。もちろん、それを解明する過程で、李候補が大統領を志望する人にふさわしくない態度を取ったのは事実だ。しかし、江南(カンナム)の同じ規模に比べると半分ほどの価格に過ぎない上に、しかも借家だったのに、与党はその家に住んでいることを取り上げ特殊層のぜいたく過ぎる生活だと攻撃した。結局、庶民たちの生きがいをなくして憤りを誘導する戦法を駆使して李候補の家族をその家から追い出すことに成功した。金大統領の私邸と比べようという、一言も言えなかったまま。

今度は弘傑氏が購入した米国ロサンゼルス近郊の100万ドルの住宅に触れてみよう。カリフォルニア州でこれほどの規模の住宅を所有している韓国人は1000人のうち1人もいないだろう。おそらくニューヨークやロサンゼルスに住んでいる韓国人はほとんどが、毎月家賃を支払っており、マイホームの夢を果たした人も20〜30万ドルの住宅がせいぜいだろう。ところで学生の身分の大統領の息子が何故こんなに大きくて豪華な邸宅を購入して貴族のように生活したのだろうか。このような大統領が所属している政党が庶民の恨みを隠れみのにして、野党総裁を、住んでいた「テラスハウス」から追い出すことが道徳的に正しいことなのだろうか。

民主党は李候補の嫁が米国遠征出産によって、2重国籍を取得したと主張した。そんな誤解を被るほど洗練されていなかったのは李候補側のミスだ。参考に、米国で生まれた外国の子どもたちは18歳になると自らの判断で、米国国籍を取得するかしないかを決定することになっている。おそらく与党はわずか1、2ヵ月後に40歳の弘傑氏が自分で米国市民だと記録した文書が公開されることを予め知っていたならば、こんなに幼稚な国籍問題は取り上げなかったかもしれない。もう与党は韓国大統領の息子が米国市民なのか、それとも不道徳にうそを繰り返す人なのかをはっきりすべきだ。

弘傑氏と李信範(イ・シンボム)前議員の間で行われた10万ドルの取り引きをみてみよう。民主党は、ハンナラ党が外国に住む大統領の息子をしつこく追跡調査して暴露し、それをえさにしてヤミ取り引きをしたと主張する。(話しは変わるが、どうせ合意したならば全額を支払えば良かった。お金の約束を守らなくて事情をこんなに悪化させたのはけち臭い。)民主党の主張どおりなら、弘傑氏は何の誤りもなくただ倹約に、さらに真面目に勉強にだけ力を入れていた学生なのに、野党がしつこく追いつめて非行に駆り出したような感じだ。脅してお金を奪い取ったことが誤った行動だから、その前に行った、弱点を握られるほどの行動はすべて正当だという論理なのか。

最も大切な問題は何といっても金の出所だ。彼が100万ドルの邸宅でひと月に800万ウォンの割賦金を返済しながら6万5000ドルの高級乗用車を所有するほどの所得があったかという問題だ。もし、それが親から譲ってもらった金なら、大統領はその明細を公開しなければならない。もし、その金が賄ろを受け取ったものならば、法的な処罰を受けなければならない。もし自ら形成した財産ならば、その形成過程の納税について国税庁は確認しなければならない。

与党が姿勢を変えない限り、金大統領の悩みは日増しに増幅せざるを得ないだろう。

李圭敏(イ・ギュミン)論説委員