「利益が上がり、資金があふれているが、使途は見当たらず」
収益性の高い企業が過剰資金で喜びの悲鳴を上げている。金融資産で運用しても、再投資をしても現在よりは収益性が高くないからだ。これは、現在の収益性が市場あまり例を見ない好調振りを見せているからだ。そのため、自社株償却減資)が「解決策」として浮上している。
これまで自社株償却は、企業の株価が下落する場合、株価を押し上げるための切り札として取られた方策だが、最近では超優良企業を誕生させたことで、自社株償却の傾向が変わりつつある。
三星(サムスン)証券の黄永基(ファン・ヨンギ)社長は最近、5月の定期株主総会では、株主への利益配分をせずに、530億ウォン分の自社株を償却する予定だ」と語った。自社株を償却すれば、自己資本比率が減少する。自己資本比率が減少すれば、企業の資本高率を示す指標である自己資本利益率(ROE)が高くなる。そうすれば、株価上昇と株主への利益配分の最大化につながる。
三星証券のイー・ビョンチャン財務チーム課長は「優良金融証券会社は、多くの場合再投資をしてもROEより高い収益率を確保することは難しい」と語った。
三星電子も状況は同じだ。史上最高の業績に支えられ、年末には6兆ウォン以上の現金が確保できると見込まれる。同社の200年ROEの推定値は27.4%だ。利益を再投資することでは、この程度の収益率を確保するのが難しい。三星電子は、今年に入り、5000億ウォンの自社株を買い付けており、今後5000億ウォンを追加して買い付ける計画だ。これは全部償却される可能性が高いとみられる。
朝興(チョフン)銀行、LG証券、大信(テシン)証券なども自社株の買い付けを検討している。
市場も前向きな見方を示している。ハンファ証券のイー・チャンホ責任研究員は「今年になって、自社株を買い付けした企業の株価上昇率は、平均株価上昇率より30%以上高い」と語った。
李恩雨 libra@donga.com