ラットをリモコンで操縦でする技術が開発され、崩壊した建物の残がいなどから人を探し出す危険な作業に、ラットを活用できる可能性が見えてきた。
米国ニューヨーク州立大のジョン・チャピン教授が率いる生理学研究チームは2日、科学専門誌ネーチャーを通じ、ラットに3本の電極棒を入れた後、コンピューターで信号を送り、ラットの行動を統制する技術を開発したと発表した。
同チームの研究によると、3本の電極棒は、脳の中で楽しさと報償を感じることのできる部位と、顔の左右のひげにそれぞれ1本ずつ移植する。その後、ラットに左に動くように左のひげに信号を送り、実際に左に動くと、報償を感じることのできる部位に電気刺激を与える。もし、右に動くと何の刺激も与えないため、ラットは自然にコンピューターが送る信号に沿って方向を変えることになるというのだ。
「ラットボット(ratbot)」と呼ばれるこのラットは、コンピューターの指示通りに木に登ったり、飛び降りるだけではなく、ラットの嫌がる明るいところにもちゅうちょなく進んだと、同チームは明らかにした。同技術を応用、小型ビデオカメラをラットボットに装着する場合、建物が崩壊した残骸の中から人を探すのに活用できる。
しかし学界では、脳の報償感覚機能を刺激し、ラットを動かせるのは新しい理論ではないとの主張とともに、ラットではなく人間が生体ロボットの実験対象になりうるとの懸念も同時に提起されている。
洪銀澤 euntack@donga.com