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記憶の中の愛…「運がよければ虹も見られる」

記憶の中の愛…「運がよければ虹も見られる」

Posted May. 14, 2002 09:39,   

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「オーバーザーレインボウ」は、観客が「正解」を知りつつ、観る映画である。

「2920日前は友だち、2920日ぶりに愛」という広告コピーでも予め教えているが、観客は結末を知ってから映画を観る。結局、主人公のジンス(イ・ジョンジェ)とヨンヒ(チャン・ジンヨン)が恋人として結ばれるだろう…。

結末が知れているストーリーに緊張感を吹き込んでいるのは、ジンスの過去。交通事故に遭って以来「部分的記憶喪失」になったジンスは、やたらある女の人のスナップ写真のことが頭から離れない。しかし、写真の中の主人公の顔はジンスが愛した女に違いないはずだが、いざジンスはその顔がぼんやりと浮かぶだけで、最後まで思い出せない。ジンスは、大学時代同じ写真部の部員だったヨンヒに助けを求め、出会いを重ねるうちに、二人はお互いについて好感を抱くようになる。

アン・ジウ監督は、新人らしくないテクニックで現在と過去を行き交いながら、現在の愛と過去の愛を同時に「現在進行形」として、綿密に作り上げている。ヨンヒに対する感情を育んでいくと同時に、記憶の中の女も少しずつ浮かび上がっていく、という形式だ。

「同じ写真部の部員だった」、「フリージアの花が好きだった」、『彼女を「虹」と呼び、片思いだった』…。

ばらばらになった記憶を組み合わせながら失われた愛に少しずつ近づいて行ったジンスは、土壇場になって「他人を通じて探し当てた愛の記憶だけでは、あのころの感情まで感じ取ることはできない」として、記憶の中の愛を探す代わりに、現在の愛を選択する。結局、ばらばらになった記憶の欠片は、最後のなって完全に噛み合うようになり、過去の愛と現在の愛はつながる。

この映画の立役者は、ふたりの主演男女。「情事」「贈り物」など、アクションよりはメロ映画で主に好評を得たイ・ジョンジェは、ここでもタップダンスを踊る魅力的な気象キャスターを演じて「虹」を探してさまよう。昨年「ソルム、鳥肌が立つという意味」で注目を集めたチャン・ジンヨンも、この映画で主演女優としての位置づけを揺るぎないものにした。

天気予報風にこの映画を評すると「所々曇ったところもあるが、全般的に晴れた春の日」。

(イ・ジョンジェやチャン・ジンヨンのフアンなら)「運がよければ虹も見られる」。15歳以上。



康秀珍 sjkang@donga.com