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[オピニオン]「弘3疑惑」とW杯

Posted May. 14, 2002 09:41,   

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金大中(キム・デジュン)大統領の三男、弘傑(ホンゴル)氏の帰国が間近に迫ったようだ。彼が検察に召喚されれば、刑事罰は避けられそうもなく、次男の弘業(ホンオプ)氏も、今のところ兄弟をみな刑務所に入れることができるのか、という意見があるものの、すぐにも弟の後に続くものとみられる。二人の兄弟が受け取ったという20億〜30億ウォンは、決して小額ではない。そのうえ「果たしてそれだけか」ともささやかれている。

5年前、金泳三(キム・ヨンサム)前大統領の次男、賢哲(ヒョンチョル)氏は、検察で徹夜の捜査を受けた後、すぐに逮捕された。今度は大統領の2人の息子というわけだ。しかし、いかんせん。大統領の息子が1人であれ2人であれ、処罰を駆け引きすることはできない。3人であったとしても例外を設けてはならない。

弘傑氏や弘業氏は、早々に真実を明かすべきであった。召喚も自ら出頭することも、法の適用には別段の違いはないが、なぜ今まで自分の足で出頭せずに、国民の怒りを買うようなことをしたのか。脱出口を探そうとあらゆる手段をろうして、どうすることもできず、あげくは検察に呼ばれるというなさけない姿を見せるはめになった。

第一に、弘傑氏と弘業氏は、もはや大統領の息子という特権意識をきれいさっぱり捨てなければならない。いかなる権力も永遠のひ護にはなれない。これ以上権力の恩恵はないと思わなければならない。華やかな時代への未練は、早く捨てるほどいい。そんな未練にしがみつくのは、かえっておろかであろう。

去る8日、与党民主党の議員総会に出席した金大統領の長男、弘一(ホンイル)議員の姿を見ると、そのような考えが頭をよぎる。弘一氏は、議員らが簡単に形式的なあいさつをして通り過ぎるや「私は党員じゃないようだ。何カ月も姿を見せなかったのに、安否も尋ねやしない」と言って、さびしそうな表情をしていた。数カ月前、米国に発つ時の空を突き刺さんばかりの威勢が、依然としてそびえていると勘違いしているようだ。

当分状況を見守る必要があろうが、検察に出頭する弘傑、弘業氏もまた、似たような勘違いをする可能性がある。5年前、賢哲氏は検察に入る直前、自分が歴史的な人物にでもなったかのように「国民に捧げる手紙」を残した。その手紙に感動して、別れを惜しんで手を振った者が一体何人いるだろうか。弘傑、弘業氏が、しっかりと顧みるべき5年前の状況である。

権力が去った跡には、冷たい風が吹くだけだ。その殺風景な場所に一人立っていると思えば、ひとしお気も楽なことだろう。そして、告白するようにすべての真実を一つ漏れなく明らかにすることだ。それが「ノーベル平和賞を受けた大統領である父」の品位が守る唯一の道である。

第二に、検察の姿勢だ。今回の捜査が中途半端に終わる場合、特検に渡る可能性が大きい。世論を静めるために、初めはそれらしく大声を出して、後でこっそりと退くイベント性の捜査は、検察の顔に泥を塗るだけである。「再手術」の必要がない完璧な「手術」をしてもらいたい。

ただでさえ、W杯の開幕前に捜査を終えなければならないという、火元の知れないうわさが飛び交い、注目を集めている。W杯はまさに世界的なお祭りであるが、大統領の息子の問題が、その祭りの足を引っ張ってもいいのか、世界の視線が集まっているのに、大統領の息子のことで騒いでいては、国の恥じではないのか、ということだ。しかし、なぜことがここに至るまでになったのか。まるでW杯の開幕日を知らなかったかのように、行事が目前に迫った時点に来て早く手を打とうとすれば、その意図は不純としか考えられない。権力の後ろには、すでに「花札の八百長試合」との説も登場している。

W杯の開幕は、残すところわずか15日ほどしかない。いくら事前捜査が済んだ事件であるはいえ、15日の間に何をどうしようというのか。W杯の熱気に乗れば、「弘3疑惑」も何もかもすべて忘れ去られるだろうから、「弘傑、弘業氏の逮捕」とう大義名分だけを整えておいて、さっと済ませようと考えているのではあるまいか。息子2人が逮捕される姿を目にするかもしれない親としては、わらにもすがりたい思いだろう。W杯の熱気を利用して、何とかして「弘3疑惑」の捜査を「希釈」させようとする人物もいるに違いない。

事実、W杯は世界をお祭りムードにし、「弘3疑惑」もその熱気の影響を受けるだろう。しかしW杯は、一瞬だけ世界を熱狂させるお祭りにすぎない。

W杯の祭りが終った跡にも「弘3疑惑」は依然として健在であろう。真実が明るみになる前に、幕が下りることはない。「弘3疑惑」をW杯で「希釈」させる浅はかな策をろうすれば、問題をさらにこじらすだけである。

ナム・チャンスン論説委員