通貨危機以降、重複投資の解消のために統合した「ビッグディール」会社のうち鉄道車両と航空機、船舶エンジン産業のメーカーが本格的な黒字軌道に乗り始めている。
ロテム(鉄道車両)、韓国航空宇宙産業、HSD(船舶エンジン)の各メーカーは、昨年初めまでは赤字の累積でビッグディールの代表的な失敗例として指摘されていたが、懸命な自助努力によって再起を図り、世界の上位メーカーを目指している。
99年7月に、現代(ヒョンデ)、大宇(テウ)、韓進(ハンシン)重工業などの鉄道車両事業部門が統合した「ビッグディール第1号」ロテム(旧韓国鉄道車両)は、三つの労組による労使紛争と経営権争いが深刻化して外資の誘致に失敗し、赤字が累積するなど、一時「ビッグディールの問題児」とされていた。
しかし、昨年9月、現代重工業が大宇の持ち株(39%)を引き受けることで、経営権を安定させてから今年になって会社名を「ロテム」に変え、攻撃的な経営を展開し状況を一変させた。去年11月に赤字が累積した旧韓進の釜山(プサン)工場を整理したのが負債を減らし経営を正常化させるきっかけとなった。
経営が安定化により、受注量も増えてきている。昨年6月にはインドから電車240両(2億4000万ドル)を受注したのがすべて。しかし、今年は受注が確定したり確定的な海外入札がギリシアへの電車102両(1億3000万ドル)の輸出など5件4億ドルを超える。
同社の朴盛寿(パク・ソンス)広報部長は、「過去3社の過当競争による低価格受注と社会資本(SOC)投資の不振が問題だったが、今やこのような障害がなくなった。2005年には鉄道車両部門で世界4位のメーカーに浮上する」と話した。
ロテムは最近「韓国型高速鉄道第1号車」の開発と生産を完了し、それに続いて高速鉄道車両の動力車と動力客車も輸出する計画だ。
99年10月に三星航空、現代宇宙航空、大宇重工業の航空事業部門が統合された「韓国航空宇宙産業」は、2010年までに世界ランク10位内の航空宇宙会社を目指すとの「ダブるテン(10−10)」計画を最近発表した。経常利益は去年初めて 30億ウォンの黒字を出したが、今年は当期純利益においても去年の600億ウォンの赤字から114億ウォンの黒字に転換する計画だ。
同社は早ければ来月国内技術で最初に開発した超音速航空機である「T50高等訓練機」のテスト飛行を実施する計画だ。「T50プロジェクト」は国防部から2011年までに100機余り(20億〜30億ドル)の注文をすでに受けており、航空機開発の転換点になると期待されている。
「航空宇宙産業」も去年6月に瑞山(ソサン)工場を閉鎖して大規模赤字を出していたB717航空機製作事業に見切りをつけたのが構造改革の分水嶺となった。
99年12月、斗山(トゥサン)重工業(旧韓国重工業)と三星重工業の船舶エンジン部門が合併した後、2000年8月に大宇造船工業が持ち株参加したHSD。同社の生産量は統合前の年間176万馬力から2001年に385万馬力へと大きく増加した。今年は収益性の高い品目を選んで受注するほど経営が安定を取り戻している。
具滋龍 bonhong@donga.com