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[社説]金大中大統領の故郷に海上道路計画、妥当か

[社説]金大中大統領の故郷に海上道路計画、妥当か

Posted May. 14, 2002 09:41,   

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2兆ウォン近い予算を投じて、木浦(モッポ)沖の新安郡(シンアングン)の主な島々を海上の橋で結ぶという国道建設計画は、その発想から疑惑を呼んでいる。経済的な妥当性も薄いと思われるほか、金大中(キム・デジュン、DJ)大統領の故郷がこの新安郡であるからだ。万が一、この計画を立案する上で、現職の大統領の故郷であるということが少しでも影響しているとすれば、はなはだ情けないことである。

昨年8月、国道に指定されたこの道路は、木浦を出発して金大統領が生まれた荷衣島(ハイド)などを通過するようになっており、20の海上橋を含む全長78キロの道路で、1兆8600億ウォンの資金が投じられる予定。建設交通部(建交部)の依頼を受けた国土研究院が、今秋をメドに工事の優先順位と車線などを決める予定となっており、確定した場合、工事に着手するのは2006年ごろになるという。

建交部は、幹線道路から疎外された地域への配慮と、地域の均衡開発など国道指定基準に合致していると釈明しているが、同海上道路の建設により恩恵を受けられる地域住民が3万2000人程度だとすれば、果たして正規の妥当性調査を経ているのかと疑わざるをえない。おおよそ、1人あたり6000万ウォンの資金を投じるという計算になる。同地を選挙区としている民主党の韓和甲(ハン・ファガップ)代表は、観光レジャータウンとして開発する計画だとしているものの、新空港高速道路など国の重要施設ですら、予算不足を理由に民間資本を誘致して建設している状況とあれば、過剰投資との批判は免れ難い。

建交部の、建設の時期や規模などが確定していないため問題ないといったニュアンスの説明も、つじつまが合わない。すると、早急に取り掛からなくてもいいような道路計画を立てたのはなぜだろうか。地域の住民や政権与党の点数を稼ぐために、計画を繰り上げて発表したというのであろうか。

政府は、この計画がどのような背景から立案され進められたのか、その過程を詳しく明かすべきだ。以前から「特定地域に限って建設予算が集中的に割り当てられた」とする噂が多かった。今回の疑惑をきれいに晴らさなければ、地域主義をなくすどころか、さらに助長した政権として記憶されることになるだろう。