仏暦2546年の仏陀生誕日を祝う法要が行われた19日午前10時、ソウル鐘路区堅志洞(チョンログ・キョンジドン)にある曹渓寺(チョゲサ)。この日、曹渓寺の境内には、5万余りの提灯が掛けられ「提灯の波」をつくっていた。
ところが、曹渓寺の関係者は、毎年この頃になるといわゆる「提灯儀典」のため、頭を悩ませている。政治家たちが「仏心」(仏教信者の票)を目当てにして依頼してくる「VIP提灯」を、後日問題のないよう、適切な順番に従って取り付けなければならないからだ。VIP提灯は、通常の提灯より大きくて華やかなことから、荘厳灯と呼ばれる。政治家の「提灯料」は公開されないが、たいてい10万ウォン前後となっている。
問題は、政治家の誰もが、自分の提灯が目に付きやすいところに掛けられることを希望しているが「VIPライン」と呼ばれる、本堂前の第1列に掛けられる提灯は7、8個に過ぎない。このような事情から、仏教界の一部には「仏陀の生誕日に曹渓寺の本堂前に行くと、韓国の政界の勢力図が見られる」という話も持ち上がっている。
曹渓寺側は、独自の政治家関連「提灯儀典」を設けている。その基準は△現職、前職の大統領に対する礼遇△候補と党代表のうち大統領候補を優先する△与野党関係者の中では与党を優先する△野党は議席順などとなっている。もちろん、前以て申込みを済ませた政治家に限り、提灯を掛けてもらえる。
この日も、本堂の中央門から見て、右手には法傳(ボプチョン)宗正(チョンジョン、仏教界の最高指導者)など仏教界関係者らの提灯が、左手には政界関係者らの提灯が掛けられた。VIP提灯は、真中から金大中大統領、全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領、李漢東(イ・ハンドン)首相、盧武鉉(ノ・ムヒョン)民主党大統領候補、李會昌(イ・フェチャン)ハンナラ党大統領候補、徐鋻源(ソ・チョンウォン)ハンナラ党代表、金鍾泌(キム・ジョンピル)自民連総裁、朴槿惠(パク・グンヘ)韓国未来連合代表の順で掛けられた。
民主党の大統領候補選挙で敗退した李仁済(イ・インジェ)議員の提灯は、VIPラインではなく他のラインに掛けられていることから「大統領候補選挙敗北」を実感させられた一方、信心深い仏教信者として知られる盧泰愚(ノ・テウ)元大統領の提灯は、申込みがなかったため掛けられなかった。
金甲植 gskim@donga.com