Go to contents

[社説]ワールドカップの夜が明けた

Posted May. 30, 2002 22:23,   

한국어

21世紀初の地球村祭典となる、韓日ワールドカップサッカー(W杯)大会が31日夜、ソウルの上岩(サンアム)ワールドカップスタジアムで、華麗な開会式が行われる。向こう1ヵ月間、世界の目と耳が韓半島と日本列島に注がれることだろう。新しい千年に入り、初めてのW杯が韓国と日本の両国で開かれるのは、決して偶然ではない。それは21世紀がアジアの世紀であり、北東アジアがその中心舞台となるであろうということを、象徴しているのである。

新しい世紀の中心的価値は「寛容」である。いわゆる冷戦の終えん以降、世界がひとつの地球村時代を切り開いて行くには、地域と人種、文化と宗教の間で、互いに相手を理解して包容する寛容の精神が要求される。ところが昨年、世界中を驚がくさせた「同時多発テロ」と、それに次ぐテロとの戦争からも表れているように、寛容の地球村時代がけん在化するには、文明間の排他性と人種、地域間のかっ藤の壁が、依然として立ちはだかっている。

この、排他的憎悪と没理解的かっ藤の壁を取払うのが、W杯サッカーである。そして、まさにその大会が、新しい世紀の初めに、北東アジアにある二つの国で同時に開かれる。和解と寛容、平和の中心としての韓国と日本、という世界史的意味が、韓日W杯に内在しているのである。その上、韓日両国は、かつて不幸な歴史を共有しているということから、和解と寛容のイメージは特別だと言えよう。

ここで、ひとつ残念なことは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)がついに参加できなかったことである。しかし、今大会を通じて、韓半島の分断の現状に対する、平和を愛する世界の人々の関心はますます高まるはずで、それが南北における平和の共存に貢献することだろう。

延べ400億人もの人々が見守ることになるW杯は、単なるサッカー大会ではなく、世界の人たちの祭典である。この祭典を準備した韓日両国は、誇りとともに、大会を成功裏に導かなければならない。韓国の場合、試合が開かれる10ヵ所のスタジアムについて、世界最高レベルとの賛辞が送られた。また、韓国代表チームの戦力は、本大会の初勝利とベスト16入りを期待できるほどの急成長ぶりを見せているとの評価を受けている。最近の、熱い応援の熱気からも見られるように、国民の関心も非常に高い。しかし、優れた施設とベスト16入りだけが大会の成功を評価する尺度であるとは言い難い。W杯を成功に導くためには、国際化時代にふさわしい市民意識が前提となるべきだ。成熟した応援と観戦の文化は、その基本である。

韓国を訪れるW杯ファミリーに対する、きめ細かな気遣いも重要だ。50万人を超える外国人観光客に不便のないよう、宿所、輸送、通訳の問題などを綿密にチェックし、韓国文化の真髄を見て体験できるような機会を提供できなければならない。とりわけ、万が一のテロに備えて、徹底した安全システムを稼動させるべきだ。

祭りは始まった。今回のW杯が、我々の国運を再び立て直すと同時に、地球村時代の和解と平和、寛容の精神を根ざす、世紀的意味の大祭典になることを願いたい。いざ、東方の灯りが世界を照らす夜が明けた。