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W杯韓米戦前に広がる反米感情 警察対策に苦慮

W杯韓米戦前に広がる反米感情 警察対策に苦慮

Posted June. 08, 2002 13:16,   

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10日、大邱(テグ)で行われるサッカー・ワールドカップ1次リーグD組、韓国—米国戦で、若者たちの間で広まっている反米空気が応援と結びつく動きが強まっており、警察当局は警備体制に神経をとがらせている。

警察など関係当局は、万一の事態に備え、米国関連施設などに対する警備を強化し、応援団を分散させるなどの対策を立てているが、偶発事態を根本的に予防する手立てに困り、戦々恐々している。

国家代表チームのサポーター「レッドデビル」(赤い悪魔)のインターネットサイトの掲示板などには、ソルトレーク冬季五輪のショートトラックで韓国選手と競り合い、誤審の論議を呼んだ米国のアポロ・アントン・オノ選手を名指しし、「思い起こせオノ」などのスローガンとともに、五輪当時の問題のレース場面の動画が載せられている。

一部のネット利用者は9日、ネット上で、米国サッカー代表チームが泊まる予定の大邱の宿舎前で「集会」を開くため参加者を募集。またオノ選手が泊まっているとの噂が流れているソウルのSホテルのホームページ掲示板には、「直ちに追い出せ」という抗議文が殺到した。

校内に試合を観戦できる施設を設置した慶熙(キョンヒ)大学の総学生会は、10日の試合開始前に「ブッシュ米大統領の顔にサッカーボールをあてるゲーム」「米国産タバコを国産に替えてあげる」イベントを催すことにした。

総学生会は、同日に配った1000枚余りの赤色のTシャツに反米スローガンを印刷することを検討しており、漢陽(ハンヤン)大学も「反米応援団」を組織した。

このため警察など関係当局は、スタジアムや数十万人が集まると予想されるソウル都心の光化門(クァンファムン)などの街中で、反米スローガンが書かれたプラカードや印刷物がまかれたり、掛け声が叫ばれる事態と、興奮した観衆が世宗路(セジョンロ)大通りに面している米国大使館など米国施設に押しかける場合を憂慮している。

政府関係者は「韓国—米国戦を控えて、偶発的な行動を自粛してくれるよう、各種団体に求めている。最近の反米気流がどういう形で表れるか心配だ」と話した。

警察は、米大使館付近での騒動に備え、大使館付近に立ち入り禁止ラインを設置した。また、光化門一帯に集まるとみられる市民応援団を、試合のテレビ中継を流す大型電光板が新しく3つ設置される市役所前広場へと最大限に分散する方法を検討している。

また、ソウル龍山区漢南洞(ヨンサング・ハンナムドン)の外国人マンションなど50余りの米国関連施設に対する警備を強化し、レッドデビル会員たちの協力を得て、反米スローガンが出れば応援の歓声を誘導し、これを沈ませることにした。

警察関係者は、「ソウル地下鉄を市役所駅に停車せず通過させる方法や制限的に交通規制する方法などが考えられているが、数万人が偶発的に反米デモを繰り広げることになれば、これを止める手立ては事実上ない」と述べた。

これと関連して、多くの市民たちは韓—米戦を反米感情と結びつけるのは、正しい態度ではないという反応を示した。

またレッドデビルのホームページ掲示板などには、反米感情をあおる文章とともに、「感情的な対応はやめよう」と自省を促す文章も掲載されている。

会社員のキム・テユン氏(34・ソウル永登浦区汝矣島洞)は、「試合と米国に対する感情を区別できる成熟した観戦態度が望まれている。試合に触発されて反米スローガンが叫ばれたり、反米デモが起こる場合、W杯主催国としてのイメージに致命的な打撃になりかねない」と話した。



sys1201@donga.com