「惜しい。でもよく戦った」
雨が降るソウル世宗路(セジョンロ)大通りと市役所前広場で、そしれ全国各地で一丸となって応援をした4700万の国民の念願が作り出した劇的な同点ゴールだった。
韓国の戦士たちは自分を顧みず全身を投げ出したし、全国民は声がかすれるまで「デ〜ハンミングク(大韓民国)」を叫んだ。
10日、大邱(テグ)ワールドカップ(W杯)スタジアムで開かれた2002韓日W杯の1次リーグD組・韓国—米国戦。
韓国は前半24分、米国のクリント・マシスに先制点を許したが、後半33分、「美男子」安貞桓(アン・ジョンファン、ペルージャ)が見事なヘディングで同点ゴールを押し込み1−1で引き分けた。
これで韓国は1勝1分け(勝ち点4)で米国と並んでトップに立ったが、得失点差で上回り同組首位を疾走、決勝トーナメント進出(16強)に青信号を灯した。
韓国は14日、仁川(インチョン)でポルトガルとグループ戦最後の試合を迎えるが、同試合で最低引き分ければ、史上初の16強進出を達成できる有利な立場に立った。
韓国は優勢にリードしながらもゴール運に恵まれず苦戦した。先制まで許したが、国民の熱烈な声援に勢いづけられ、とうとう同点ゴールを作り出した。
韓国は前半24分、黄善洪(ファン・ソンホン)が上瞼が裂かれる負傷にあい、手当てのためにピッチを外れている間に米国のマシスに突破され、ゴールを奪われた。
反撃に出た韓国は39分、米国のDFジェフ・エイグースの反則で得たPKを李乙容(イ・ウルヨン)が蹴ったが、米国GKプラッド・フリーデルに阻まれ、同点のチャンスを逃した。
後半に入って、韓国は黄善洪、柳想鉄(ユ・サンチョル)を外し、安貞桓と崔龍洙(チェ・ヨンス)を投入して総攻めに乗り出した。しかし、米国の積極的なマークを阻まれなかなかゴールを割ることができなかったが、そして33分に同点ゴールが炸裂した。
中盤の中央辺りで拾ったフリーキックを李乙容がクロスであげ、米国ゴールに駆け込んだ安貞桓が米国のエイグースより一歩先んじてヘディングしたボールがゴールの左隅を割った。
韓国は、土壇場で一方的に攻め上げながら何回もチャンスをつくったが、ゴール運に恵まれず、試合を覆すことはできなかった。