世界中にサッカー・ワールドカップ(W杯)の熱風が吹き荒れるなか、一家族5人を含む北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)からの脱出者9人が、11日、北京の韓国大使館領事部に駆け込み、韓国への亡命を求めている。
これにより、先月23日以降同領事部に駆け込んだ脱出者の数は計17人となり、今後彼らの身柄の処理をめぐり、韓中関係に深刻な摩擦が生じる恐れがある。
政府当局者は同日「すでに韓国大使館領事部に駆け込んだ8人を含め、17人すべてが本人の希望どおり、人道主義の精神にもとづいて一度に韓国行きが果たせるよう、中国側との交渉を通じて実現させる方針」と述べた。
しかし中国政府は、脱出者らの身柄の引き渡しを強く求めている。北京の外交筋は「中国政府は、脱出者らの相次ぐ韓国公館駆け込み事件が、国際非政府機構(NGO)の背後支援によるものとみている。身柄処理の協議が長期化することで、韓中両国の関係が硬化する恐れがある」と述べた。
韓国大使館側は、同日午前8時35分(韓国時間午前9時35分)頃、高某さん(58)家族5人を含む男性6人と女性3人の脱出者が、ビザ申請者が出入りする鉄製の門を乗り越えて韓国大使館領事部に入り込み、韓国行きを求めたと明らかにした。
脱出者は、高さんと夫人チョ某さん(54)、高さんの長女(17)、長男(14)、姪(22)の一家族とファン某さん(48)、チェ某さん(39)、金某さん(37)、金某さん(34)だ。
8日には、北京のカナダ大使館にも脱出者2人が駆け込んで、韓国行きを求めている。韓国大使館領事部を含め、北京の外国公館に保護されている脱出者は、11日現在合わせて19人にのぼる。
金影植 yshwang@donga.com spear@donga.com