米国の外国製鉄鋼の緊急輸入制限措置(セーフガード)で始まった世界の「鉄鋼戦争」が休戦状態に入ろうとしている。米国、日本、欧州連合(EU)などの紛争当事国が相続き円満な解決策をはかっているためだ。
韓国の鉄鋼業界は、これで韓国の貿易環境が改善される可能性が高まったとして世界鉄鋼戦争の緩和ムードを歓迎している。
19日経済界によると、米国は3月に発表した外国製鉄鋼製品に対するセーフガードの適用対象から46の鉄鋼製品をはずすと、17日(現地時間)発表した。これに先立ち米国は、今月の初めにも61の製品を適用対象から外している。米政府はさらにセーフガードからの例外を認める製品を発表するとしている。
これに対し国内外の鉄鋼業界は、セーフガードの発表以来、米国内の鉄鋼価格が急騰し、これに鉄鋼需要企業が反発、米政府がセーフガードを多少緩和する方向に方針を変えたものとみている。
日本と欧州連合も、似通った態度を見せて米国へのバッシングを和らげている。
日本は当初18日から米国に対する報復として米国製鉄鋼製品に100%の関税を賦課するとしてきたが、13日には報復関税を当分延期すると発表した。
米国が鉄鋼セーフガードについて譲歩しなければ、18日から米鉄鋼製品に3億ドル相当の報復関税を賦課するといってきた欧州連合も、関税賦課の決定を来月に先送りした。
韓国の鉄鋼業界は、正面対決に走っていた世界の鉄鋼戦争が落ち着けば、輸出環境が好転するものとみている。
ポスコ(旧浦項総合製鉄)の関係者は「米国はセーフガードを発動させると鉄鋼価格が15%くらい上昇すると予想したが、昨年末1トン230ドルだった熱延鋼板の価格が、最近369ドルまで急騰した。このため自動車、電子など鉄鋼需要業種の反発が激しく強固な態度を維持できないだろう」と述べた。
韓国鉄鋼協会のキム・ソンウ通商チーム長は、「中国も態度を緩めるしかなく、これは韓国としては嬉しいこと」だと述べた。
申致泳 higgledy@donga.com