速い回復が期待されていた世界情報技術(IT)の景気が再び不安な兆しを見せている。
第1四半期(1〜3月)の時は、国内外の経済専門家は各種の経済指標を根拠に、IT景気について楽観的な見方を示していたが、需要不振と価格下落で関連企業全般にかげりが生じている。
代表的なIT部品である半導体Dラムは、年初に比べて半分にまで価格が急落した。PC、ネットワーク設備、携帯電話端末なども、需要の落ち込みで収益性の悪化が懸念される。PC、モニターの買い替え需要で価格が上がった液晶ディスプレー(LCD)も、長期的な好況を楽観することは難しい。
▲投資がよみがえってこそ、IT景気も回復する〓米インテルの最高経営者(CEO)クレーグベロットは最近、「去年末にPCメーカーなどが在庫調整を終え、年初から新しい部品の在庫を積む過程で、半導体の価格が上昇した。まだ、需要拡大の根拠がなく、現時点でIT景気の回復を口にするのは時期尚早だ」と述べた。
実際にインテルをはじめノキア、ルソント、アップル、AMDなどの上半期の業績は、期待に及ばず、下半期の業績に対する不安感で米ナスダックが急落した。
現代証券のオ・ヒョンソク先任研究員は「年初の予想とは違って、需要が回復せず、企業が在庫負担で投資をはばかっている。主なIT企業が需要回復への確信を持って投資を増やさない限り、IT景気の早期回復は期待しにくい」と述べた。
三星(サムスン)経済研究所技術産業室のキム・ジェユン博士は「平均3年だったPCの買い替え周期を考慮すれば、今年からPCの販売が増え、半導体景気も回復するものと予想していたが、さらに時間がかかりそうだ」と話した。
▲来年以降、本格的な回復が可能〓ほとんどの専門家は、IT製品の本格的な需要回復の時点を来年以降に予想している。ただ、季節的な需要が繰り返される半導体は、今年第3四半期中の反騰が期待される。
世界的に4億2000万台の需要が予想された携帯端末の需要も、3億9000万台に縮小するものと予想され、好況を享受しているLCD産業も、関連業界の過剰供給で下半期の回復もおぼつかなくなった。
三星電子のキム・イルウンマーケティング担当常務は、「一部の先発企業が来年の第3四半期をIT景気の底とみているほど、IT産業を取り巻く環境が厳しいため、かなりの企業の業績悪化が懸念される。しかし、製品競争力を備えた三星電子など先発企業は、高付加価値製品を中心に、市場シェアが高まりつつあり、しっかりとした収益構造を築いている」と説明した。
朴庭勳 崔虎元 sunshade@donga.com bestiger@donga.com