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[オピニオン]国際訴訟が外国人に不利では…

[オピニオン]国際訴訟が外国人に不利では…

Posted July. 01, 2002 22:28,   

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米国とのサッカー・ワールドカップ(W杯)トーナメント戦で同点ゴールを決めた安貞桓(アン・ジョンファン)選手のゴールセレモニーを見て、国民は、米ソルトレークシティー冬季オリンピックのショートトラックで金メダルを奪われた金東聖(キム・ドンソン)選手のことを思い出した。金選手のことは、国民にアンフェア(unfair)な決定、それも修正できないアンフェアな決定が、いかに深刻な問題であるかを実感させた。

韓国がポルトガルを破って16強入りを果たすや、これをねたんだ一部の外国マスコミが「審判がフェア(fair)ではなかった」という「アンフェア」な報道をするのをみて、国民は再び激怒した。その一方、トルコとブラジルの試合で、主審の決定にトルコ国民が激怒する時、国民は当惑した。

異なる国家に属す当事者間の紛争を扱う国際仲裁や国際訴訟でも、仲裁判定部や裁判所が自国の利益を保護するあまり、何の合理的な理由もなしにアンフェアな決定を下すことがしばしば発生する。そのようなアンフェアな決定の深刻さは、金東聖選手の場合のように、その決定を不服とする方法がないか、またはきわめて制限されている。何の問題もなく発行された信用状を合理的な理由なしに支給停止とする決定を下す外国裁判所の判決は、事実上国内当事者に輸出代金を回収する方法を封鎖することになる。

非常に公正な韓国の裁判所の訴訟手続も、外国当事者にアンフェアな結果を与える場合がある。外国当事者との紛争が、十分考慮できていない制度や手続き上の不備のためだ。過度な事件数と時間に追われる裁判所が、弁護士の口頭弁論や反対尋問が長いと神経質的な反応を示すのをみて、外国からきた当事者がアンフェアであると抗議する時、顔から火が出る思いがする。

公正であるには、その決定に必要な十分な識見と経験、そしてバランス感覚を持たなければならない。

しかしアンフェアな決定は、外国や外国人によってだけ下されるのではない、むしろ、国内で国内人によってしばしば下されるというのが、国際紛争を主に処理する筆者の考えだ。学縁、地縁を重視する韓国の「文化」も問題であるが、国際紛争の処理に十分な経験と識見が不足して、アンフェアな決定を下す場合が発生するためだ。

このような理由で、韓国企業も、国際紛争で韓国人より外国人を紛争解決の担当者に選定する場合が多い。国際紛争の大半が、外国の紛争処理機関や外国人によって処理されている。フェアな国際紛争の処理は、国家競争力の一部になり得る。一日も早く国際紛争でのフェアな手続きと決定が保障されるように、国内紛争処理の手続きの実質的な補完とともに、国際紛争専門家の養成が求められる。

金甲猷(キム・カプユ)法務法人「太平洋」弁護士