1997年末、韓国で金融危機が起こった原因の一つは、国際資金市場の「錢主」らが、韓国への資金供給を中断したためだった。韓国への投資を決定する香港にある証券・信託会社の投資分析家約30人が、韓国金融機関の支払い能力に疑いを抱いて資金供給を打ち切ったのだった。
国際通貨基金(IMF)の救済金融を受けた後も、しばらく状況が悪化し続けたことも、韓国が彼らに「ウォンの上昇の期待」を植え付けるのに失敗したからだった。預金引き出しの自制など「経済問題を社会運動で解決しようとする試み」は、冷酷なエコノミストである彼らの目には満足できない処方だった。
結局、政府が金融や財閥改革、経営難の総合金融会社の閉鎖、銀行支払い能力の拡充、為替変動幅の拡大などIMFとの約束を実践したことで状況は好転し始めた。
▲韓国証券市場を知るには香港出身者に聞くこと〓最近、香港の欧米系証券会社に勤めていた証券マンたちが、韓国の証券業界を席捲している。米国やヨーロッパ系証券会社のアジア本部が集まる香港で、先進金融テクニックを身につけ、流ちょうな英語で武装した彼らは、韓国証券市場を牛耳る外国人投資家の役割を果たしている。
彼らはさらに、△外国人投資家のばく大な資金と△外国系証券会社のグローバルリサーチネットワークを活用し、△韓国企業の最高経営者(CEO)と直接会うことができるという3つの能力も備えている。需給(外国人の売買)とマクロ(経済)、マイクロ(企業)など、株価に大きな影響を及ぼす3つの要素が、一気に把握でき、韓国証券市場に関して韓国国内の専門家とは差別化された分析ができるということだ。
▲香港から韓国に〓外国系金融機関でファンドマネジャーを務めた後、韓国に戻った証券マンも少なくない。LG投資証券パク・ユンス常務は、香港のジュピター資産運用とプルデンシャル資産運用(英国)で10年間ファンドマネジャーとして勤め、リサーチヘッドに変身したケースだ。
イム・ソングンドイツ証券韓国代表も、ジャディンフラミング資産運用でファンドマネジャーをした後、営業に転換した。テンプルトン投信運用のイ・ジョンチョル常務は、外国人専用ファンドのひとつであるコリアアジアファンド(KAF)の運用にたずさわり、香港のベアリング資産運用でファンドマネジャーを務めた。
今年6月、三星(サムスン)証券リサーチヘッドになったイム・チュンス常務は、米国UCバークレーでMBAを取得した後、ゴールドマン・サックス証券に勤め、香港とソウルでリサーチを担当した。
イ・ナムウ前三星証券リサーチヘッド(常務)は、リキャピタル投資諮問を設立し独立を宣言した。シカゴ大学のMBAを取得した彼は、大宇、JPモルガンなどでアナリストを務めた。
韓美(ハンミ)銀行に投資したカーライルのキン・ピョンジュ会長やLGカードに投資したウォバーグピンカースのファン・ソンジン常務は、個人資産(Private Equity)投資の大物だ。
▲香港には誰がいるか〓現在、香港で活躍している韓国人で最も注目を浴びる人は、メリルリンチ証券のキム・ホンス常務(アジアリサーチヘッド)とCSFB証券のファン・ソンジュン常務(アジアリサーチヘッド)、そしてUBSウォバーグ証券のユン・チウォン常務(アジア株式・デリバティブヘッド)など。キム常務とファン常務は米シカゴ大学のMBAを卒業し、ユン常務は米MIT大学でMBAを取得した。彼らは、外資系証券会社のスターとも言える取締役にまでなった。彼らは、韓国はもとより、香港やシンガポール、台湾など、約10の国家を管掌するアジアヘッドを担っている。
ファンドマネジャーとしては、ジャディンフラミング資産運用のデービッド・チェが代表的な人物。彼は1999〜2000年に韓国証券市場が活況を見せた時、現代(ヒョンデ)証券とソウル証券にしばらくいたが、再び香港に渡った。メリルリンチ証券のイ・ウォンギ常務は「国際金融市場は、もっぱら実力だけで評価されるところだ。これから10〜20年経てば、韓国人も国際金融界をリードするユダヤ人につぐ強者になるだろう」と予想した。
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