ブッシュ米大統領が相次ぐ大手企業の会計不正事件に関連して、9日、米経済の心臓部であるニューヨークウォルストリートを訪問、対策を提案したが、マスコミと専門家から酷評を受けた。
企業経営家や投資家などを対象に行った同日の演説で、ブッシュ大統領は、企業犯罪の捜査と処罰の強化、経営最高責任者(CEO)と取締役会の倫理意識の回復などを呼びかけた。
経済専門チャンネルのMSNBCテレビは、演説について「多くのアナリストと投資家は、ブッシュ大統領の提案があまりにも微々たるものであまりにも遅れていると語っている」と批判した。
経済専門のブルムバーグ通信は、米証券最大手メリルリンチ社の投資家オド事件を担当していたニューヨーク州のエリオット・スピチ検察総長の話として「ブッシュ大統領はボールを前方に動かせなかった」と報じた。この通信は「企業と親しすぎるとの批判を受けているブッシュ政権が、強力な規制策を講じ信頼回復をはかったが、期待に応えられなかった」と評価した。
ブルムバーグ通信は、トマス・ダッシュル民主党上院院内総務が「大統領の声は大きいが、非常に小さな棒しか出してくれなかった」と述べたと紹介したうえで、ブッシュ大統領の提案は、金融市場に出回っていたさまざまなアイディアを取りまとめるのにとどまったという、金融界の反応を伝えた。
10日付のニューヨークタイムズは「せっかく共和党大統領が企業改革を呼びかけたのに、政治的意図ばかり前面に押し出しただけで、情熱がない」とし評価を切り下げた。企業犯罪者の刑量を延長する方策について同紙は「上院では株主をだます各種の偽計(scheme or artifice)を重罪のカテゴリーとして設定しようとしているのに比べて、はるかに不十分な提案」だと指摘した。
また、企業犯罪専門捜査チームの創設方策について、同紙は「ブッシュ大統領は『金融問題の連邦捜査局(FBI)』であるように語ったが、FBIや法務部はこれを『調整機関』『情報集合所』 くらいに受け止めている」と伝えた。
この日、ニューヨーク証券市場の株価は下落を続けた。ニューヨークタイムズは「演説と関連があるかどうかは分からないが、ブッシュ大統領が演説を始めた時、横ばいだったが、演説の途中下落しており、午後にはさらに下落した」とウォルストリートの雰囲気を伝えた。
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