金大中(キム・デジュン)大統領は、15日の記者懇談会で、息子の不正問題を含む政局懸案に対する立場と意見を表明したが、野党ハンナラ党だけでなく、与党民主党の要求ともかけ離れたものであることから、金大統領の状況認識を問題視する声が出ている。
金大統領は15日、息子が不正に関わったことについて謝罪し、アジア太平洋平和財団(亜太財団)を全面的に改編するほか、親戚の不正再発防止に向けて制度的装置を講じると述べた。
また、残る7カ月の任期の間、国政に専念するという意思を重ねて強調した。
しかし金大統領は、亜太財団の解体を求める政界の要求に耳を傾けず、長男の金弘一(キム・ホンイル)議員の離党問題についても「本人の問題」として、立場表明を留保した。
金大統領は同日「亜太財団を全面的に改編して、社会的に名望があり政治色のない方に任せるようにする。今後理事を務めることも、財団に関与することもない」と述べた。
金大統領は、息子の不正関連事件に関しては「生涯で、昨今のように悲惨で惨たんたる時はなかった」と重ねて謝罪したものの、前・現職の国家情報院長が次男の弘業(ホンオプ)容疑者に「もち代」を渡したことについては、「個人的なカネであったと聞いている。しかし、いくら個人的なカネであるとはいえ、私の息子がカネを受け取ったことに、非常に申し訳なく思う」とだけ述べた。
金大統領は、張裳(チャン・サン)首相代理の指名については「事前検証を行なったが、論争となっていることは非常に残念だ」と述べながらも、国会の承認については「うまくいくと期待する」と語った。
金大統領は「各党の大統領候補や指導部と会う用意があるか」という質問に「国家的に役に立つムードになれば、いつでも会う用意がある。しかし、政治的に敏感な時期であり、慎重に考えている」と答えた。
同日の懇談会の内容について、ハンナラ党の南景弼(ナム・ギョンピル)スポークスマンは「息子の不正を謝罪し『厳正に処罰されることに異議はない』と言ったことは評価するが、真剣な姿勢で国民に謝罪しなかったことに失望した。本当に反省するなら、特別検事制や国政調査、TV聴聞会を受け入れなければならない」と論評した。
一方、民主党の李洛淵(イ・ナクヨン)スポークスマンは「全般的に国民世論を考慮し、変化を模索しようと悩んでいる様子がうかがえる。金弘一議員の進退問題は、金議員本人が判断する問題だ。亜太財団についての言及は、国民世論を考慮した進歩した態度と考える」と述べた。
李哲熙 klimt@donga.com