アフリカのナイジェリアの女性たちが、多国籍企業を相手にした厳しい戦いで勝利した。
8日、南部のエスクラボス海岸にある米国石油会社シェブロンテキサコの生産基地を占拠した数百人のナイジェリア女性たちは、会社側との約10日間の交渉のすえ、雇用拡大、住民福祉向上、環境汚染縮小などに合意した。
エスクラボスのデモが成功を収め、シェブロンテキサコの他の4つの生産基地でもデモが発生するなどナイジェリアの「女性パワー」は、全国的に早いスピードで広がっているとAP通信が18日報道した。
▲デモの発端〓エスクラボス地域に住む女性住民150余人は先週初め、食器と調理道具を手に、シェブロンテキサコの生産基地内に乱入した。彼らが工場と船着き場、ヘリポートなどを全部占領したため、700余人の労働者は基地内に閉じ込められるようになった。
彼らが会社側に要求したのは雇用および地域投資拡大と環境保護。エスクラボスで石油ボーリング、発掘、運送事業を繰り広げるシェブロンテキサコは、ここの住民をわずか15人程度しか雇用せず、1000余人に達する人材の大部分を米国、英国、カナダなどから連れてきた。
このため、エスクラボスはナイジェリアで最も石油が豊富な地域であるにかかわらず、生活水準は最も低い都市に転落した。シェブロンテキサコはまた、石油発掘が近くの海岸を大きく汚染させるにもかかわらず、これを防止するため、何の措置もとらず、住民たちと対立してきた。
600人余りに増えた女性デモ隊は、米国で急派されたシェブロンテキサコの経営陣との交渉を通じ、今後5年間、毎年5人の住民を定期的に雇用する一方、すでに雇用された非正規職15人を正規職に転換すると16日合意した。シェブロンテキサコはまた、村に電気と給水施設をつくり、病院、学校、養魚場、養鶏場などを建設することにした。デモ隊は18日解散し、石油生産は再開された。
▲女性デモは初めて〓アフリカ最大の産油国のナイジェリアでは、多国籍石油企業を相手にしたデモが頻繁に発生してきたが、女性がデモの全面にたったのは今回が初めてだ。男性デモ隊はしばしば石油会社の主要人物を拉致し、働き口とお金を要求することもしたが、大部分失敗に終わった。
エスクラボスデモ隊の大部分は、夫と息子の就職を要求する40代以上の「おばさん」だちだった。デモ隊は14日、会社側が強制鎮圧をする動きをみせた時は、「ヌードデモ」も辞さないと叫んだ。
結婚した女性が素肌を見せることを最も大きな恥じと見なすナイジェリアで、「ヌードデモ」が及ぼす影響を憂慮したシェブロンテキサコは、16日電撃的に交渉のテーブルについた。
鄭美京 mickey@donga.com