来月初めにソウルで開かれる韓米通商交渉実務会議で、自動車、医薬品などに対する米国の市場開放圧力が強まるものとみられる。
財政経済部と外交通商部通商交渉本部が24日発表したところによると、両国政府は来月7、8日にソウルで四半期ごとに開かれる韓米通商交渉実務会議で通商懸案に対する意見のすりあわせを行う。
通商交渉本部の朴曉星(パク・ヒョソン)北米通商課長は、「米国の第1四半期の経常収支の赤字が国内総生産(GDP)比4.3%に達するなど、貿易赤字が悪化しつつあり、韓国市場開放要求はいつになく強まると思う」と説明する。
▲自動車・医薬品の攻勢強化〓今回の実務会議の最大の争点。米国は韓国が6月末で終了する予定だった自動車特別消費税引き下げという期限付きの措置を8月末まで2ヵ月間延ばしたものの、それに満足できず、さらなる延長を要求する可能性が高い。現在8%の韓国の自動車関税を米国並み(2.5%)に引き下げることも強く要求している。
韓国はすでに一度延長に応じているため、また譲歩してはならないという立場だ。また、韓国の輸入関税は諸外国に比べてそれほど高い水準ではなく、関税引き下げについては世界貿易機関(WTO)で話し合うべきだという主張で対応する計画だ。
最近関心の的となっている多国籍製薬会社の医薬品問題も重要な懸案になるとみられる。米国は韓国で進めている参照価格制の施行に反対を表明しながら、保険薬価を決める過程に多国籍製薬会社の参加を要請することが確実視されている。これに対して韓国政府は絶対応じられないとしている。
▲鉄鋼と農産物をめぐる綱引き〓韓国が攻勢をかけなければならないのは鉄鋼だ。米国の緊急輸入制限措置(セーフガード)に対抗して、欧州連合(EU)、日本と共同で対処しているが、今回の交渉では韓国の競争力が高い一部の鉄鋼製品をセーフガード品目からはずさせることが目標になっている。
農産物については、両国からの要求がそれぞれ示される。米国はチェリーの輸入拡大、乾燥ジャガイモフレークや新鮮ジャガイモに対する市場接近数量の拡大、関税率引き下げなどを要求するとみられる。韓国もリンゴとパプリカなどの米国向け輸出を可能にするため、農産物の輸入許可と検疫手続きの簡素化などを求める計画だ。
米国が引き続き要求する映画のスクリーン・クォーター制の廃止に対しては、韓国は別の交渉で解決することを主張している。
朴重鍱 sanjuck@donga.com