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高校の金現代史教科書、現政権美化で波紋

高校の金現代史教科書、現政権美化で波紋

Posted July. 30, 2002 23:26,   

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来年から高校2、3年で使用される一部の韓国近現代史の教科書の金泳三(キム・ヨンサム)政権と金大中(キム・デジュン)政権への評価の記述に対する客観性をめぐって論争が起こっている。

歴史評価が難しいにもかかわらず、政治的に鋭敏な近現代史教科書で、任期が終わっていない現政権について業績を中心に記述したことは、問題が多いと指摘されている。

また、教育人的資源部が、請託などの不条理を防ぐために10人の教科書検定委員の名簿を公開しなかったが、この委員構成が適切であったかについても疑問が提起されている。

学界の専門家らは「論争の余地が多い近現代史の叙述には、明確な時代区分と厳密かつ客観的な史料発掘が先行し、学界の討論と検証が伴なわなければならない」と指摘した。

高麗(コリョ)大学の鄭泰憲(チョン・テホン、韓国史)教授は「現勢力と直接関係があり、現在進行中の部門を歴史として記述することは、非常に難しく適切ではない」と話す。

また、ドイツやフランスなど、ヨーロッパへ留学したり、子どもを留学させた経験がある知識人たちも「自由選挙による政権交代が頻繁なヨーロッパの場合、現政権の業績を広報する内容や過去の政権をけなす内容を歴史教科書に載せることは、徹底的にタブー視されている」と述べた。

このため教育部は30日、近現代史教科書の内容で問題が提起された教科書への精密分析を行い、修正・補完することにした。

教育部は、30日午後に記者会見を開き「近現代史教科書は、近現代史の流れを客観的かつ主体的に把握できる内容を中心に、偏狭な視角で記述されないよう出版社に執筆基準を提示した。検定基準も、内容の誤りや偏向的理論、視角、表現などを含んでいないかに重点を置いた」と述べた。

教育部は「検定委員会が、独自に公正に判定したが、客観性の問題が提起されたため、検定をパスした教科書を細密に検討し、修正や補完が必要な場合は、出版社独自で修正するか教育部の職権で修正・補完する」とした。

教育部関係者は「現政権については、客観的な事実の説明を中心とし、社会的合意が成されていない分野は、断定的な記述を避けるよう修正・補完する。各界の意見を収れんし、マスコミの問題提起も重視する」と語った。

国史教科書は、これまで国語や道徳のように国定教科書として発行されてきたが、第7回教育課程で、近現代史部門を初めて検定教科書に分離し、出版社が執筆した教科書を検定して教科書として認めることにした。



劉潤鐘 inchul@donga.com gustav@donga.com