「三人の男と揺らん」のように赤ん坊と男性が登場する映画なら、決まって出てくるシーンがある。おむつを換える瞬間、赤ん坊のおしっこが男性の顔に見事にかかるシーンだ(この場合、赤ん坊の主人公は決まってちびっこ王子様だ)。笑わせるためのシーンだろうが、女性または母親ならこのようなことはない。まるまるとした赤ん坊のお知りをパンパンと叩きながら楽しそうにおむつを換えるなり、赤ん坊が便をもよおしそうな時に「おしっこしようね」と排便のトレーニングをさせただろう。
◆最近、韓国の赤ん坊が世界で最も早い平均23カ月でおむつを外すという調査結果が出た。さすが、韓国の赤ちゃんは賢い…と喜びそうになったが、手放しで満足に思えるようなことではないと思った。「隣の子はもうおむつ外したっていうのに…」といった競争心理が作用したと思われるからだ。遊び場に行って比べられたら恥ずかしいと、その小さなおしりを叩く若い母親もいる。しかも、「うちの子は違う」という賢い母親たちのプライドや、排便の訓練も早期教育のひとつとして早くすればするほどいいという強烈な教育熱も作用しただろう。もちろん、監獄のような赤ん坊のベッドに子どもを一人で寝かせる西洋と異なり、同じ部屋で常に世話する至れり尽せりの努力も一翼を担っただろうが。
◆専門家らは、赤ん坊が強圧的におむつを取られた時の副作用を指摘する。小児精神科専門医チョン・グンア教授(永東セブランス病院)は、すぐ大小便を認知できるようになったとしても、子どもが不安がる懸念があると言う。民主的、合理的に訓練されたことがないため、非民主性と非合理性を身につける可能性も少なくない。ドイツ(33カ月)と英国(31カ国)、そして米国(27カ月)の赤ん坊は大小便を認知するのが遅いが、それは無意味に遅いのではないだろう。もし強情な母親や、過度にけちで完璧主義者の「強迫的な人格障害」で悩む方は、一度自分の母親に聞いてみるといい。もしかして満2〜4歳の肛門期に厳しい排便訓練をさせなかったかのかと。
◆「誤解:母性に関する真実、嘘、予期してなかった出来事」「出産後の生き方:友達が絶対に話してくれないこと」など、最近米国で話題を集めている本は「世の中には母親の役割に適していない人もいる」と語り、スーパー・マム(super mom)になれないからといって罪責感を感じる必要はないと言っている。おむつからの早期卒業が有能な母親の成績表ではない。まず、母親が幸せであってこそ子どもも幸せであるのであり、少々早い遅いの問題で気を揉む必要もない。人が生きていく上での知恵というのはみなそうだが、排便訓練、愛も、それを受け入れる側に準備ができていなければ、与えても意味がないのではなかろうか。
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