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ユゴー誕生200年、よみがえる名作

Posted August. 16, 2002 22:57,   

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レ・ミゼラブル(全6冊)/ビクトル・ユゴー著、ソン・ミョン訳/各冊420ページ前後/各冊8000ウォン/東西文化社

「1861年6月30日朝8時30分、窓からこぼれる朝の日差しの中で、私は『レ・ミゼラブル』を書き終えた。もう死んでも悔いはない」

今年で誕生200周年を迎えたフランスの大文豪ビクトル・ユゴー(1802〜1885)。彼は、ある詩人に送った手紙の中で、自分の心情をこのように述べた。作家みずから「レ・ミゼラブル」を一生の力作と考えたのだ。

今回出版された「レ・ミゼラブル」は、300の挿絵が入ったフランス「ユーグ版」を完訳したもの。1862年にパリで初めて出版されてから数年もせずに、文字の読めない民衆にもこの作品は話題となった。この小説は、社会の中で抑圧され貧しくみじめに生きる人々が、愛を失わずに幸福を求める姿を描いたからだ。そこでユーグ出版社は、当代の人気画家エミリー・ビヤールの版画の挿絵を入れて新しく本を作った。ユーグ版は庶民の間で人気を集めた。

わずか一切れのパンを盗んだために、19年間にわたって投獄されたジャン・バルジャン、コゼット、そしてジャベル、小説の中の3人の人物がもつ共通点は何か。みな人間の尊厳と感情、創意性に背を向ける冷酷な社会が生みだした犠牲者という点だ。ユゴーは、これら登場人物の話を中心に、自分が抱いた社会の進歩や改革主義の思想を感動的に綴る。

この作品は戦争、革命、暴動、脱出、泥棒、聖者、愛、冒険がすべて盛り込まれた大叙事詩であり、人間、社会、歴史を論じる哲学書として価値が認められている。今日でも、映画や演劇、ミュージカルなどで人気を集める理由もまさにここにある。

翻訳はソン・ミョン韓国仏語仏文会長。



mskoh119@donga.com