「コリアン特急」朴賛浩(パク・チャンホ、29、テキサス・レンジャーズ)はこのほど自分の個人ホームページ(http://chanhopark61.korea.com)に文章を書き込んだ。「短いこん跡」というタイトルで、「喜びと悲しみは永延ではなく、いつも変わらぬチャレンジだけを繰り返したい」という内容だった。
人生観が立つといわれる年、30歳を控えて、自分だけの暮らしの知恵でも悟ったのだろうか。空しい喜怒哀楽に振り回されることなく、黙々と新しい道に向け歩んでいく過程が大事だという悟りのようだ。
24日午前8時5分(韓国時間)ニューヨーク・ヤンキース戦に先発登板する予定の朴賛浩は、こうした「無心の投球」ができるのだろうか。ヤンキースといえば、何の説明も要らない最高の名門球団ではないか。ワールドシリーズで26回も頂上に上り詰めた球団。米大リーグ30球団のうち、年俸総額が最も多いスター球団なのだ。今シーズンも強力な打線を追い風に優勝に向け着実に進んでいる。主戦9人の中で、A.ソリアノ、D.ジーター、Ja.ジアンビ、B.ウィリアムズなど、上位4人が3割打者。チーム内の8人が二ケタ台のホームランを放っており、チーム全体のホームラン数は187本と、両リーグ合わせて首位をマークしている。
米大リーグに進出して以来、初めてヤンキース戦に臨む朴賛浩は、欲を出すよりはかえって心を無にしなければならない状況。強力な打線を相手にすることすら手ごわいうえ、先発登板が予定されているヤンキースのマイク・ムシーナは、チーム内でシーズン最多の15勝をマークしている事実上のエースなので、仲間たちの打線援護もままならない。それに、朴賛浩は最近マイナーリーグでのテスト登板の時も、3イニング9失点と振るわない投球を見せてしまった。
しかし、今シーズン怪我と不振が繰り返される中で、最悪の一年を過ごしている朴賛浩には今度のヤンキース戦が復活の転機が作り出せる重要な一戦になりえる。心の負担を払い飛ばし、ヤンキースの火花を散らす打線に向かい火を放つと、かえって良い結果が得られるかも知れない。それが遅きに失したシーズン18試合ぶりに漕ぎ着けた5勝だったら、いうまでもなく最高だろうが、たとえ勝敗に関係なく、思う存分に挑戦したならば、それだけでも残りのシーズンで朴賛浩が自信感を取り戻すには十分ではなかろうか。
野球選手なら誰でも踏み出したいと望んでやまないヤンキースタジアム。はたして朴賛浩に「夢の球場」になるのだろうか。
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