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「洛東江水害は人災」 被害住民が政府相手どり訴訟準備

「洛東江水害は人災」 被害住民が政府相手どり訴訟準備

Posted August. 25, 2002 22:24,   

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慶尚道(キョンサンド)住民の「生命線」と言われる本流525kmの洛東江(ナクトンガン)、今月初めの集中豪雨で流域の至るところが浸水し、住宅と農耕地が水に浸かった。

当局は、止むを得ない「自然破壊の結果」だと説明しているが、住民たちは当局の無関心が被害を大きくしたと強調している。

被害地域の住民たちは、今回の水害を人による災害「人災」だとして、集会とデモを続ける一方で、弁護士選任まで終えて政府を相手取った数千億ウォン規模の訴訟に取り組みはじめた。また、警察が手抜き工事があったかどうかについて捜査に乗り出すとともに、監査院の監査なども予定されており、その結果に関心が集まっている。

▲人災が被害を大きくした〓住民たちは「堤防が崩れ、排水場のポンプが止まったため、被害がさらに大きくなった。これは当局が事前の防備をおろそかにしたためだ」と話している。

金海市翰林面(キムヘシ・ハンリムミョン)で3代続けて暮らしている李光燮さん(イ・グァンソプ、61)は、「2000年3月の市政報告会で『翰林排水場を増設して、ファポ川を一日も早く浚渫(しゅんせつ)すべきだ』と市に対して強く建議した。まさか、まさかとうろたえているうちにファポ川が氾濫した」と主張した。

翰林、生林(センリム)、進礼(チンレ)面と進永(チンヨン)邑の金海市の4つの邑と面の大量の水が一気に集中したファポ川と、ファポ川の水を洛東江に落とす翰林排水場の管理不実で被害が出たという。

咸安郡法守面(ハムアングン・ポプスミョン)の「ペクサン堤防崩壊対策委員会」は、「施工会社がペクサン堤防の増築工事を手抜きにして、再工事をする過程で集中豪雨で崩壊した」と主張した。委員会は、排水管を埋設する当時、廃棄物で埋めなおした疑惑まで提起している。

陜川郡青徳面(ハプチョングン・チョンドクミョン)の住民たちも「長い間何ともなかった堤防が崩壊したのは、手抜き工事に原因がある」と指摘した。被害地域住民たちの間では「堤防が崩壊する以前に異常な兆候が見られ通報したが何の措置も取られなかった」という話も流れている。

▲ずさんな治水政策〓慶尚南道の河川改修率は42.1%に過ぎない。洛東江下流にあり、水害にもろい位置にあるにもかかわらず、河川と堤防の補強率を示す改修率が全国平均の66.8%に大きく及ばない実情だ。

住民たちは、「ファポ川のしゅんせつなどを提起したのが10年も前のことだ」として、金海ファポ川と翰林排水場をずさんな水害対策の典型として挙げた。

97年11月に金海市が「ファポ川基本計画の見直し」を求めたが、慶尚南道からは「財政の都合上難しい」という返信が返ってきた。その後、金海市と慶尚南道は5年間、書類を何度か交わしただけで、実質的な措置はほとんど取らなかった。

翰林排水場が十分な機能を果たすためには、排水能力が毎秒110トン以上でなければならないが、現在は31トンに過ぎない。農民の李得満さん(イ・ドクマン、44)は、「洛東江周辺の排水場のポンプが老朽化しているうえに自家発電機を持たないし、専用の電線も確保されていないため、停電になったときはお手上げになる」と述べた。

河川と堤防、排水場の管理が自治体と国土管理庁、農業基盤公社などに管轄が分離されているのも、水害に対する迅速な対応を妨げていると分析されている。

馬山昌原(マサン・チャンウォン)環境運動連合の関係者は、「水袋の役割をする洛東江の背後湿地の大半が農耕地や宅地、工業団地などに無差別に開発されてから、このような災難は予告されていた。河川管理政策の見直しが求められている」と指摘した。

住民たちは、「復興と補償、水害民救護も重要だが、水害を防ぐ恒久的な水防対策の樹立が一番重要だ」と口をそろえている。