ソウル「芸術の殿堂」の自由小劇場で9月1日から公演が行なわれる「わが国のウトゥリ」は、韓国固有の公演様式を模索する実験舞台だ。韓国芸術総合学校の演劇院が設立した劇団「トルゴジ」が男寺堂牌(ナムサダンペ、全国をさすらいながら歌と踊りを売る集団)のコットゥガクシ劇(民俗演劇の一種で人形劇)と、韓国伝来の「赤ちゃん将軍説話」の一つ「ウトゥリ」伝説を組み合わせた創作劇。
「…ウトゥリ」は西欧演劇の定型性を拒否し、「仮面踊り」のように一定の枠を持たないノリマダン(舞台と観客席の境界線がない演劇形式)の形式を帯びている。
韓国伝統武芸の「気天門(キチョンムン)」を応用し、静的でありながらダイナミックな動きを見せ、民俗音楽と正楽を加味し、韓国固有の感じを生かした。大胆な省略と飛躍、開放性と集中性を生かした舞台で、韓国的な様式を試みる。
赤ちゃん将軍のウトゥリを憎む王、李成桂(イ・ソンゲ)とのかっ藤が、作品の主な筋書きになっている。子どもたちのプルガクシ遊びなど固有の風俗も登場する。
「…ウトゥリ」は国内公演に続いて、9月には中国北京戯劇学院が主催する演劇祝祭にも参加する予定だ。
ドラマと演出を担当した金光林(キム・グァンリム)演劇院長は、「中国には京劇が、日本には歌舞伎があるが、韓国にはマダン劇のほかに伝統の演劇様式を持たなかったのが実情だ。外国の公演作品が洪水のようにあふれている状況で、今後、韓国演劇の源を捜し求める作業を10年ほど続けたい」と話している。平日は午後7時半から、週末は午後3時と7時半から。8000〜1万2000ウォン。02−958−2556、02−580−1300
黃泰勳 beetlez@donga.com